2011 Fiscal Year Annual Research Report
放射性核種トレーサー8Liによるナノスケールでのリチウム拡散係数測定
Project/Area Number |
22510118
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
石山 博恒 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (50321534)
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Keywords | ナノ計測 |
Research Abstract |
本研究は現在の8Li放射性トレーサーによる拡散係数測定手法の限界値(D=10^-9cm^2/秒)を定めている1秒あたり1ミクロン程度の深さ位置感度をナノメータスケール(~10nm)の感度に改善する事で拡散係数の測定下限値を大幅に改善(D=10^-12cm^2/秒)し、ナノスケールでの固体内のリチウムの動的挙動をその場観察することで、リチウム電池の正極、負極材料のオンライン、非破壊的拡散係数測定手法を確立することを目的とする。 本年度は、平成22年3月の震災のため延期した測定用真空槽の設置を完了した。また、昨年度に開発した数値シミュレーションを用いて、当初予定の2対のものではなく片側の検出・器のみで目的とする測定下限値を得られるように、検出器の設定角度、立体角、ビームエネルギー等の実験要件の最適化を行った。1×10^6個毎秒、エネルギー8keVの8Liビーム(実績値)を、1.5秒試料に照射し、4.5秒間測定というサイクルを1時間繰り返し、10度に設定したSi半導体検出器でアルファ線の時間強度変化を測定することで、1×10^-12cm^2/秒の拡散係数測定が可能であることが判明した。また、東北大学多元物質科学研究所により測定試料LiCoO_2の薄膜試料(Pt基板上に約200nmの厚さ)を製作していただき、レーザー変位計により試料の一様性の測定を行った。製作された試料の非一様性は10%以下であり、数値シミュレーションにより測定にあまり影響を与えないことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災とその後に行われた実験室からの東海短寿命核分離加速実験装置移転作業により、本年度予定していた本測定が延期された。真空槽の設置は本年度中に完了したので8Liの使用許可が得られ次第来年度、本測定を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
試料製作を含めた実験準備は終了しているので、来年度に本測定を行い、10^-12cm^2/秒台の拡散係数測定手法を確立する予定である。
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Research Products
(5 results)