2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケール高分子会合体ー細胞膜界面における相互作用とシグナル変換
Project/Area Number |
22510120
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 雄大 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 特別科学研究員 (40281836)
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Keywords | ナノ粒子 / 両親媒性ポリシロキサン / 細胞膜 / カベオラ / エンドサイトーシス / 一酸化窒素合成酵素 / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究課題「ナノスケール高分子会合体-細胞膜界面における相互作用とシグナル変換」では、「細胞膜における物質の取込み経路」と「ナノスケール高分子会合体(ナノ粒子)」との相互作用に伴う細胞応答について検討する。その目的は、ナノ粒子が新たな機能として"シグナル特性"を発現しうることを示すことである。具体的には、1.ナノ粒子の構造と細胞膜構造におけるナノ粒子の取込み経路との関係、2.細胞によるナノ粒子の取込みに伴う刺激(入力シグナル)の細胞内シグナル伝達によるシグナル応答と処理メカニズム、3.ナノ粒子の構造とナノ粒子の細胞外シグナル特性との相関について解明する。本年度は、特に2.について検討を進め、以下の知見を得た。 (1) ナノ粒子の取込みによるナノ粒子は血管内皮細胞の細胞膜ナノ構造ドメインであるカベオラを経由して取込まれる。 (2) ナノ粒子との相互作用の後、血管内皮細胞において一酸化窒素(NO)産生が亢進した。 (3) NO産生を担っている一酸化窒素合成酵素(eNOS)の活性化がナノ粒子の取込みにリンクして生じる。即ち、ナノ粒子の取込みが生じている間はeNOSの活性化の指標であるリン酸化eNOSの発現量が上昇する一方、ナノ粒子を除去するとリン酸化eNOSの発現量が定常レベルに戻る。 (4) ナノ粒子の取込みによるeNOSリン酸化の亢進は、血管内皮細胞に作用させたナノ粒子の濃度に依存する。しかし、その応答はナノ粒子の濃度に対してリニアではなかった。 これらの結果より、血管内皮細胞におけるナノ粒子取込みが一酸化窒素合成酵素の活性化を誘起し、on-off的にスイッチすることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)