2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510122
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
AFRIN REHANA 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特任准教授 (70447556)
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Keywords | 創傷治癒 / 細胞創傷 / 細胞膜穿孔 / 原子間力顕微鏡 / 脂質膜分解酵素 |
Research Abstract |
培養繊維芽細胞の細胞膜に狙った大きさの孔を開け、創傷治癒の細胞モデルとして用いる方法を確立した。その方法は、原子間力顕微鏡の探針に大きさの決まったラテックス小球を貼り付け、これに対して細胞膜リン脂質を分解するホスフォリパーゼA2を架橋剤により固定したあと、培養皿状の細胞に接触させることにより、小球の直径に近い内径を持つ孔を形成する。孔の大きさはラテックス小球の大きさによりおよそ決まるが、小球と細胞膜の接触面積は細胞表面の凹凸状態にも依存する。この孔は大きさに依存した修復・治癒過程をしめした。孔の直径が10μm以上の場合は、修復は難しく、細胞死にいたる場合が多いが、直径が5μm以下の場合は完全に修復され細胞がもとの状態に復帰できる場合は多いことがわかった。また後者の場合、修復時間は10-15分内で孔の大きさに依存する。穿孔の有無を判別する方法として、脂質膜の色素DiO蛍光ラベルおよび細胞膜タンパク質のGFP化による蛍光レベル法をもちいた。脂質膜分解酵素を用いて形成した孔は、機械的に探針を細胞膜に押しつけて作った孔に比べると、細胞膜内側から細胞内にのびている細胞骨格タンパク質を主成分とするネットワーク構造を破壊していないので修復過程が単純であると考えられる。今後さらに、細胞膜に開けた孔を通しての細胞内構造体のマニピュレーション方法を洗練化して細胞に局所的な障害をあたえる方法を開発する予定である。
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Research Products
(6 results)