2010 Fiscal Year Annual Research Report
一体成形シリコン電極薄型燃料電池における生成水管理
Project/Area Number |
22510126
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
早瀬 仁則 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (70293058)
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Keywords | 燃料電池 / MEMS / 多孔質シリコン / フラッディング / マイクロ流路 |
Research Abstract |
開発を進めている薄型燃料電池の出力密度は、大型の従来型燃料電池に匹敵するようになってきた。そこで、従来は無視してきた反応生成水による燃料流路閉塞、いわゆるFloodingが生じる可能性が出てきた。本研究では、反応生成水の観察を主として、この結果に基づき生成水処理方法を探索することを目的としている。 平成22年度は、薄型燃料電池から生成される水を観察するためのテストベンチの製作を主として進めた。具体的には、ガラス基板に、集電機能を持たせる金属薄膜および燃料供給のための溝や穴の形成し、薄型燃料電池ホルダーを製作した。また、燃料供給を行うために、マスフローコントローラにより微量のガス流量制御を可能とする系を組んだ。 反応領域形状が異なるいくつかの燃料電池セルを用意し、組み上げたテストベンチにより、生成水の観察を試みた。セルごとのバラツキが大きいため、定量的な検討は出来ていないが、長い反応領域を有したセルの酸素供給下流域において、生成水が多く観察された。また、生成水の液滴は燃料流路端部や多孔質シリコンの欠陥部分に生成されやすい様子が観察された。現在、我々は、触媒層に連続する多孔質シリコンが、物質輸送の障害となっていると考えているが、この考察を支持する結果と考えている。今後の構造設計に活かせるよう、定量性を高める必要がある。一方で、ガラス面に水滴が形成されて曇りが生じ、観察は困難であった。水滴防止剤等の使用により、ある程度の改善を図ったが、十分な結果は得られていない。クリアな画像が得られるよう、さらなる改良が必要であると考えている。
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Research Products
(5 results)