2012 Fiscal Year Annual Research Report
一体成形シリコン電極薄型燃料電池における生成水管理
Project/Area Number |
22510126
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
早瀬 仁則 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (70293058)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 燃料電池 / MEMS / 微細加工 / 多孔質シリコン |
Research Abstract |
昨年度までに、燃料流路凹部における成生水を、ある程度観察できるようになった。本年度も、引き続き、成生水の観察に取り組んだところ、性能が低い燃料電池では、成生水発生が不均一である傾向が見られた。特に、反応面積を大きくした場合には、成生水が観察されない領域が見られる一方、激しく水が生成される領域が観察された。すなわち、一つのセル内部に大きな反応のバラツキが生じていることが明らかとなった。 反応面積を拡大して、出力を増大させることが実用に向けての大きな課題であり、また、成生水観察を確実にするためにも均一な反応が必要である。そこで、セル内での反応のバラツキを低減させることを検討した。従来の研究から、本小型燃料電池では、触媒層となる多孔質白金層と燃料流路底部との間に、多孔質白金層に改質しきれていない多孔質シリコン層が残留することが分かっていた。この残留多孔質シリコンが触媒部への燃料供給を阻害している可能性が高い。そこで、この残留多孔質層を極力取り除くことを検討した。 はじめに、燃料流路を形成するプラズマエッチングプロセスの時間調整を検討した。しかし、プラズマエッチング時間を延長しても、残留多孔質シリコン層はほとんどエッチングされず、元素分析の結果、電子顕微鏡観察では確認できないものの、白金が含まれていることが分かった。このため、耐プラズマエッチング性が高くなったと考えられた。 次に、陽極酸化による多孔質シリコン層の形成条件を変更して、試行錯誤の結果、残留多孔質シリコン層が生じにくい触媒層形成条件を見出すことができた。この形成条件により燃料電池を試作したところ、反応部が1平方mmの場合は、バラツキが低減し、高い出力密度が観察された。反応面積を16平方mmに拡げた場合でも、現在までの最大出力密度を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)