Research Abstract |
1,研究目的1,2(電磁力の解析と最適な隔膜部の設計,流路形状の最適化) 電磁力,流体力,隔膜の変形に要する力を考慮し,的確にシミュレーションを行った.さらに,流体と隔膜を一体とする境界上条件を提示した.一連のシミュレーションの結果,従来の10倍以上の流量を達成した.また,供給する電磁力,すなわち必要電力との関係も明らかにし,省エネ化の基礎データ得ることが出来た. 2,研究目的3(混合率の最適化) 流路内にマイクロ回転体を置き,光ピンセット技術などで回転させることを想定した撹拌素子を用いたシミュレーションを行った.3次元的な流れが生じるような設計にしたため,従来よりも1.5倍程度の攪拌率を得ることが出来た.さらに,全く別の撹拌素子を開発した。これは隔膜振動ポンプ内の撹拌促進用の突起物をつけるものである.その結果,前者と同様の撹拌性能を持ったポンプが設計でき,本ポンプの多機能化の可能性が広がった. 3,研究目的4(噴流速度,速度分布の最適化) 流路内に噴流を生み出す装置を設計し,与えられた角速度によって生じる速度変化を的確に検知するためのシミュレーションを行った.その結果,3軸の角速度の検知が可能となるセンサーの開発が可能となった. 4,また,当初の計画にはなかったが,本研究の応用として,ヒーターを用いて熱塊を作り,その動きを検知する(すなわち,温度変化を検知する)手法によっても,3軸方向の角速度の測定が可能となることを明らかにした.これは従来の手法よりも高性能であることを示し,特許の申請を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように新規性のある「熱検知型加速度センサー」のアイデアが生まれており,特許の申請も行っている.そのために,本センサーの精度,性能をより詳しく研究することを本年度の研究計画に加えたい.装置の設計と製作を計画していたが,製作は別の機会とし,本年度はこの新しい装置,および昨年度まで取り組んでいた装置の基本設計,および省エネ化,効率化,小型化のための設計とシミュレーションを重点的に行いたい.
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