2011 Fiscal Year Annual Research Report
高効率ハイスループット抗原特異的抗体産生細胞スクリーニングチップの研究開発
Project/Area Number |
22510128
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Research Institution | Toyama Industrial Technology Center, |
Principal Investigator |
小幡 勤 富山県工業技術センター, 中央研究所, 主任研究員 (30416143)
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Keywords | MEMS / 免疫細胞 / マイクロチップ / 医療用デバイス / 抗原抗体反応 |
Research Abstract |
ヒトの免疫機能を利用した抗体医薬を開発するために、特定のウィルスを特異的に攻撃する抗体を作り出す免疫細胞を選別する医療用チップデバイスの開発を行った。ヒトから採取した細胞の利用率を向上させるために、磁気を利用し一つのマイクロウェルに一つの細胞を強制的に導入する方法を考案した。 平成23年度は、企業への事業移管を意識した実用化に向けた製造方法について検討をおこなった。これまでウェルを形成した後に磁性膜をめっきする方法であったが歩留まりが悪かった。そこで、今年度は磁性膜を作製した後にマイクロウェルを形成する方法に変更した。さらに下地電極をこれまでの金属膜電極から透明電極(ITO)に変更することで、マイクロウェルを構成する感光樹脂の露光工程において、磁性膜をマスキングパターンとして利用するセルフアライメント方式でおこなうことが可能となり、大幅な省力化を実現することができた。さらに、感光樹脂からの自家蛍光を抑制する遮光膜と表面改質膜を付加することで、高効率ハイスループットな抗体スクリーニングを可能とした,本技術については、特許を出願し、特許査定として認められた(特許第4951144号)。当該技術は、本研究でターゲットとしているリンパ球だけでなく、例えば血中循環腫瘍細胞(CTC)の捕獲、検査にも応用できるものと思われ、今後、汎用性を考慮したデバイス性能を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
製造工程の簡略化を実現し、目的のスクリーニング性能を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
検査用としてのアプリケーションを実現するために.医療機関で利用されている倒立型顕微鏡に対応したチップを開発する必要がある。主にマイクロウェルの構成材料の性能に依存するところも生じるため、感光樹脂メーカーと連携して開発を行っていく予定である。また、バイオ医薬開発企業、チップ製造を行う電子部品製造企業などとの情報交換等も行い、早期のチップの実用化を目標とする。
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