2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510129
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大島 義文 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 特任准教授 (80272699)
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Keywords | ナノワイヤ / 磁性金属 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
磁性金属ナノワイヤ伝導現象の解明は、応用上、重要なテーマである。これまでに、機械的制御による破断(MCBJ)法やSTM法などによって、計測されてきたが、測定結果にばらつきが見られるため問題となっていた。磁性金属ナノワイヤの伝導には、s電子のみならずp, d電子も関与していることを考えると、ナノワイヤの原子配列に依存した伝導現象が予想される。本研究では、磁性金属ナノワイヤの形状や構造を槻察しながら、そのコンダクタンス計測を行うことを目的としている。 本年度は、この目的を遂行するため、超高真空透過型電子顕微鏡に組み込める液体窒素冷却が可能な走査型トンネル顕微鏡(STM)ホルダーの開発を主に行った。STMホルダーは、(1)超高真空チャンバーにて、その中央に収束したイオンビーム照射によるミリングで、ナノメートルレベルのギャップを作製できること、(2)超高真空チャンバーに取り付けたマイクロ蒸着源を用いて、このギャップで別れた2つの金電極表面に高純度の磁性金属を蒸着できること、(3)液体窒素で試料である金属ナノワイヤを冷却できることを目指して、設計・製作した。ホルダー本体は、おおむね完成し、ナノ接点の作製を試している。また、超高真空チャンバー内に、作製したマイクロ蒸着源を設置し、STMホルダーの2つの電極間(間隔2mm)に架橋された金属ワイヤの中心部、およそφ0.5-1mmにのみ磁性金属が蒸着されるように、首の長いガイドを取り付ける工夫を行った。磁性金属は、るつぼに置き、通電加熱により蒸発させる。さらに、本年度は、このホルダーを制御するのに必要なTEM-STM計測プログラムをLabViewによって開発した。
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