2010 Fiscal Year Annual Research Report
赤外レーザ光に応答するスマート・ナノチューブの作製と集積・加工技術の確立
Project/Area Number |
22510130
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山内 健 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90262477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪川 紀夫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20018675)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 赤外レーザ光 / スマート・ナノチューブ / 熱応答特性 / N-イソプロピルアクリルアミド |
Research Abstract |
平成22年度は赤外レーザ光に応答するスマート・ナノチューブの作製と集積化技術の確立について、以下の2点について重点的に検討した。 1.グラフト法による熱応答性高分子とカーボンナノチューブとの複合化技術の確立(坪川担当) ラジカル重合法でナノチューブ表面から熱応答性高分子をグラフトする技術を開発した。この機能性ナノ粒子の合成にはパーソナル有機合成装置(現有設備)を用いて、グラフト反応を連続的かつ効率的に行なった。グラフト法の確立しているモノマー(アクリルアミドなど)をモデルにして、反応機構を明らかとすると共に、ポリマーをグラフトする手法についても検討した。さらにカーボンナノチューブ表面のベンゼン環とフェロセンとの配位子交換反応を利用した新規な高分子グラフトにも成功した。 2.グラフト化カーボンナノチューブの化学構造、物性評価(山内担当) 得られた機能性ナノ粒子のグラフト率、グラフト効率を熱重量天秤、赤外分光測定装置、マススペクトル分析装置で評価した。その結果、均一な高分子量の熱応答性高分子を50%という高いグラフト率でカーボンナノチューブに複合化することができることが分かった。さらに材料の表面構造を走査型電子顕微鏡により観察したところ、高分子がナノチューブ表面に均一に被覆されていることが明らかとなった。溶媒分散性を調べたところ、未処理のナノチューブは静置後1時間で沈降してしまったのに対し、得られたナノチューブ複合体は1日後も分散状態を維持していた。温度応答特性を評価したところ、得られたナノチューブ複合体は下限臨界溶液温度(40℃)前後で粒径が大きく変化しており、グラフト高分子の特性により自己集積が可能であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)