2011 Fiscal Year Annual Research Report
反応性イオンエッチング法によるポリマー表面のモフォロジー制御とその応用
Project/Area Number |
22510132
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Research Institution | Toyama Industrial Technology Center, |
Principal Investigator |
鍋澤 浩文 富山県工業技術センター, 中央研究所・加工技術課, 主任研究員 (50416145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 実 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80206622)
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Keywords | プラズマ加工 / マイクロ・ナノデバイス / 反応性イオンエッチング / ポリマー微細加工 / コロイダルリソグラフィー |
Research Abstract |
アクリル基板及びPFA基板の反応性イオンエッチングに,直径0.5μmから3.0μmのポリスチレン微粒子及びシリカ微粒子をエッチングマスクとして用いた場合の,エッチング形状のエッチング時間依存性について評価を行った。ポリスチレン微粒子は,基板とエッチング速さが近いため,円錐台,円錐の形成に適していた。アクリル基板においては,全ての微粒子について,アスペクト5以上,PFA基板についてはアスペクト比10以上の円錐アレイを形成することが可能になった。一方,シリカ微粒子はエッチング速さが極めて遅いため,円柱構造の形成に適していた。アクリルにおいては,アスペクト比3以上,PFAについては6以上の円柱アレイを形成することができた。 アクリル基板上の大面積に微粒子を配列する手法として,マイクロモールディング法を採用した。高さ5μm,幅30μm~500μmの直線流路を形成したPDMSダイアフラムをモールドに用い,アクリル基板上に直径3.0μmのポリスチレン微粒子を1mm以上の長さで単層配列することが可能になった。 移流集積法により,直径3mmの領域に直径3.0μmのポリスチレン微粒子を単層配列させたアクリル基板について,円柱から円錐までの形状を形成し,純水に対する濡れ性と可視光に対する透過特性について評価を行った。濡れ性は,アクリルが親水材料であるにも関わらず,濡れのピン留め効果により,エッチング時間に比例して接触角が増加する現象を見出した。透過率については,5分のエッチング時間までは,母材に近い透過率を示し,それ以後は,微細構造の側壁粗さに起因して,エッチング時間の増加に従って,減少した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アクリル基板及びPFA基板について,微粒子の材質と直径が及ぼすエッチング形状の影響について詳細に検討し,アスペクト比の高いナノ構造アレイを形成するプロセスを確立した。また,アクリル基板については,微粒子を大面積で単層配列する手法を開発し,この基板をエッチングすることにより,アクリル微細構造の光学特性ならびに濡れ性を評価することが可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究について,今後は次の3つの点における推進を考えている。 1.ポリマーナノピラーアレイ構造形成プロセスの開発 PFA基板上に,微粒子を大面積で配列する手法を確立し,PFAの微細構造アレイについて濡れ性の評価を行う。 また,アクリル基板上に,狭間隙の高アスペクト比ピラーアレイ構造を形成するプロセスについて検討する。 2.ナノ構造形成プロセスを利用したマイクロ流体チップの開発 所望の領域に微細アレイ構造を形成したアクリル基板と,PDMSダイアフラムを用い,試薬の漏洩がないマイクロ流体チップの開発を行う。 3.ナノ構造アレイのバイオチップへの応用と評価 2で開発したチップを,タンパク質の検出等に応用し,ナノ構造の有無による検出感度の差異について評価する。
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