2011 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク構造解析アルゴリズムの開発とネットワークアルゴリズムの総合的展開
Project/Area Number |
22510135
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
繁野 麻衣子 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40272687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 芳嗣 筑波大学, システム情報系, 教授 (00119033)
吉瀬 章子 筑波大学, システム情報系, 教授 (50234472)
八森 正泰 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00344862)
岩田 覚 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00263161)
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Keywords | アルゴリズム / ネットワーク / システム工学 |
Research Abstract |
ネットワーク理論の基礎理論に基づき,ネットワーク上のゲームの均衡や社会システムにおける問題へのネットワークフローアルゴリズムの適用について検討をした.ゲーム理論やグラフ理論と融合することで,社会システムにあるネットワーク構造の解析を広く行った. ネットワーク上の情報拡散ゲームに対して,ゲーム論とグラフ論の両観点から解析を行った.各プレイヤが初期に情報を与えるノードを一つ選択して単位時間毎に隣接ノードに情報を拡散するが,情報が衝突したときにはその情報が消滅するモデルに対して,ナッシュ均衡の有無の特徴付けをグラフの直径により議論し,さらに,パスグラフ,サイクルグラフ上での均衡の有無を示した. コミュニティ抽出に対しては,昨年度から継続してハイパーグラフ上に拡張したコミュニティ抽出アルゴリズムの検証を行った.より多くのデータを用いて数値実験を行い,その妥当性を示すと同時に,コミュニティ選択基準の与え方について検討した. グラフ論的観点からは,飽和グラフの特徴付けを行い,長さ6の閉路に対する飽和グラフの最小枝数の上下限を示し,既存研究を発展させた.頂点数が少ないグラフに対しては,数値実験により飽和グラフの最小枝数を確認している. また,モデルとしては一見ネットワーク構造を持たない社会システムの問題に対しても,ネットワークフロー技術を用いたアルゴリズムを提案した.消費電力削減を目的として仮想計算機を物理計算機に配置する問題,オークションで複数の財を入札者に配分しその支払額を決定する問題などで,直接的あるいは間接的にネットワーク上のアルゴリズムが有効であることを示した.ジョブスケジューリングやスタッフスケジューリングにおいても,問題構造を明確化する際にネットワーク構造が便利であることを示している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コミュニティ抽出やグラフ上のゲームに対する特徴付け,さらには,社会システムにおける問題でのネットワーク構造を利用した解決法の提案など,問題ごとに個別に結果を出し,論文発表,口頭発表を行っており,順調に進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
継続して社会システム上の個別の問題ごとのネットワーク構造分析を行うと共に,研究計画の最終年度であることより,構造分析アルゴリズムの総合的展開を目指す.
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Research Products
(9 results)