2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510136
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 芳嗣 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (00119033)
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Keywords | 最小違反順序 / 線形順序多面体 / ラグランジュ緩和 / 劣勾配法 / ケメニーの方法 / 妥当不等式 / ファセット / 双対ギヤツプ |
Research Abstract |
研究課題の最小違反順序問題を最適化問題に定式化すると、順序付けすべき項目の2乗のオーダーの2値の決定変数と、同じオーダーの等式制約と、さらに3乗のオーダーの不等式制約を持つ整数計画問題となる。項目数が100程度でもこの問題規模は現存する最適化ソルバーで扱える規模ではない。そのため、まず等式制約を用いて変数を半分に減らし、ついで、不等式制約の一部だけを考慮することによって問題規模を小さくし、さらにラグランジュ緩和を用いて問題の緩和を行った。こうして得られたラグランジュ双対問題を劣勾配法と局所探索によって解くアルゴリズムのJavaコードを作成した。双対ギャップが存在するため、ラグランジュ双対問題が解けても原問題の最小違反順序問題が解ける保証がない。そこで、計算途中で得られる上下界を用いた変数の釘付けテストを2種類提案した。これを併用すると、項目数が約300の試験データでは、93%以上の変数について、最適解での値を同定することができている。しかしながら、それに伴って計算負荷が大きくなり、特に釘付けテストのために必要なグラフの推移的閉包を計算するための計算量が障害になっている。この障害の克服と、より良い局所探索アルゴリズムの工夫が課題として残っている。より広範な試験データを解きながら以上の問題を解決するために研究を続けるつもりである。
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