2012 Fiscal Year Annual Research Report
新聞売り子問題における信用と見切り販売に関する研究
Project/Area Number |
22510147
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三道 弘明 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (40167440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 武 甲南大学, 知能情報学部, 准教授 (50330486)
木庭 淳 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (90177882)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 新聞売り子問題 / 最適仕入れ量 / 品切れ費用 / 参照価格 / 最適営業時間 |
Research Abstract |
生産分野ではなく,小売りを対象とした場合の新聞売り子問題において,既存の数理モデルに含まれるパラメータのうち,特に品切れ費用の意味について深く考察を行い,現実にはその値の設定が極めて困難であることを明らかにした.さらに,小売りの分野では品切れ個数の計測が非常に困難であり,この点で生産分野とは環境が大きく異なることにも言及した.次いで,マルチエージェントシミュレーションを通して,品切れ費用を過少に評価してしまうと,それに応じて仕入れ量が小さくなり,需要分布そのものが時間とともに需要の少ない方向にシフトすることを示した.また,こうした結果を踏まえて,品切れ費用の適切な値を設定する際の一つの指針を与えることができた. 一方,値引き販売戦略を追求することを目的に,小売りにおける割引価格戦略についても検討を行った.ここでは参照価格に関する数理モデル基づき,顧客の購買行動を踏まえた最適価格割引戦略に関する考察を行った.消費者の参照価格が過去の割引価格による影響を受けるため,値引き販売を頻繁に行うと通常価格での需要量が減少してしまうことは直感的にも明らかであるが,現段階ではこれを明示的に組み入れた新聞売り子問題には至っていない. 同時並行して,対象をフランチャイズという環境下でのコンビニエンス・ストアに絞り,サプライチェーン・マネジメントの視点から,フランチャイジーである店舗の廃棄による負担の一部をフランチャイザーが負担するという方策を提案し,最適な負担率の存在を明らかにした.この最適政策の下では,フランチャイザー,フランチャイジーそれぞれが個別に最適戦略をとる場合よりも両者の利益の合計が大きくなることも示せた.さらに,新聞売り子問題における最適営業時間に関する数理モデルも構築し,最適営業時間の存在を明らかにし,この分野で営業時間の最適化について論じたのは初めてである.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)