Research Abstract |
本研究は,研究代表者が開発した救急車両実走行データ(GPS・動画像)採取システム実験を松山市南消防署のみならず,他の消防署においても実施し,松山市における道路ネットワークの経路・交差点別の走行阻害要因を抽出する.このためには,採取した動画像データから,効率的に経路・交差点別の走行阻害等を解析するためのシステム開発の必要がある.さらに,経路別・交差点特性別の走行阻害の救急車両走行を,対話型図解ペトリネット・シミュレーションで再現し,走行阻害要因の抽出と解決方法とそれらの評価を提示することにより,関係者の連携による問題解決が期待できるため,本申請課題の着想に至った. 23年度は,GPS・動画像走行分析システムを用いて,松山市南消防署の救急車両実走行データを交差点とリンク別にデータ・ベース化した.つぎに,松山南消防署から松山赤十字病院への走行阻害要因を抽出した.それらの結果,交差点については,直進・右折・左折毎の信号による走行阻害要因を抽出した,リンクについては,信号停止による前方車列群の避譲行動不可による阻害がほとんどであった.そこで,これらの阻害要因を定量的に算定し,現場急行支援システム(FAST)を導入した場合の時間短縮効果を算定するとともに,ペトリネット・シミュレータにより走行状態をアニメーションで示すことができた,さらに,松山南消防署以外に,松山市の北部に位置する城北消防署にも,GPSとWebカメラを搭載し,松山市北部のデータを採取している.今後,これらのデータの分析を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度は,松山南消防署以外の消防署にGPSとWebカメラを配置し,実走行データの採取を行っており,松山市内全域の道路ネットワークにおける搬送データを得ている.今後,動画像分析システムを用いて,阻害要因を分析し,さらなる対策に繋げたい.
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Strategy for Future Research Activity |
救急車の実祖走行データを,交差点・リンクごとに分析し,ボトルネックになる個所を発見し,阻害要因の解除に向けた対策と,効果を視覚的かつ定量的に提示する.さらに,救急搬送病院の運用計画についても,得られたデータを走行速度として分析したいと考えている.
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