2012 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル社会における戦略的航空ネットワークの設計と評価に関する数理的手法の研究
Project/Area Number |
22510162
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
佐々木 美裕 南山大学, 情報理工学部, 准教授 (20319297)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ネットワーク設計 / 施設配置 / ハブ・アンド・スポークモデル |
Research Abstract |
1.データの収集:日本国内の79の空港を対象とし、各路線の旅客需要および運航便数を平成22年度航空輸送統計年報から収集した。メガキャリアと格安航空会社(以下、LCC)の航空運賃(普通運賃)を各航空会社のウェブサイトより収集した。 2.利用者配分率の推定:各路線におけるメガキャリアとLCCの効用関数を航空運賃と運航便数によって定義し、利用者配分率はロジットモデルに従って決まると仮定した。収集したデータを用いて最尤法によってパラメータ推定を行った結果、運航便数に説明力があることがわかった。運賃については運行頻度ほどの説明力はなかったが、統計量、決定係数に問題はなく、推定値として用いるには十分な結果が得られた。 3.メガキャリアとの競合を考慮したLCCの最適戦略:メガキャリアが参入している航空市場において、新たにLCCが参入する状況を想定し、LCCの運賃収入最大化を目的としたLCCの最適戦略モデルを考えた。具体的には、LCCのネットワーク形態としてハブ・アンド・スポーク型を仮定し、1つまたは2つのハブ空港の配置と各ハブ空港からの路線およびその便数を求める問題を非線形計画問題として定式化した。 4.計算結果:収集したデータを用いて計算実験を行った。いくつかの初期解を生成して問題を解いたところ、羽田空港をハブ空港とし、宮崎、熊本、長崎、函館、旭川等、九州や北海道内の最大都市ではなくその周辺の空港に運航する方がよいという結果を得た。LCCの戦略として、大都市間ではなく大都市と大都市の周辺都市に運航する方が最適であるという興味深い結果であった。この結果を2013年3月に開催された日本OR学会春季研究発表会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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