2011 Fiscal Year Annual Research Report
モバイルテクノロジーを応用した新しい都市環境モニタリングシステムの研究
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22510168
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
一ノ瀬 俊明 独立行政法人国立環境研究所, 社会環境システム研究センター, 主任研究員 (30231145)
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Keywords | モバイルテクノロジー / 大気環境 / 健康影響 / モニタリング / 都市 / アンドロイド / スマートフォン |
Research Abstract |
屋外快適性を高めるための街区や建築のデザインを属地的に実現するための基礎データとして、高空間解像度の環境情報データベースを、高時間解像度で構築することを目指し、以下の研究を行った。昨年度に引き続き、市民参加による啓発型行事に利用可能なポータブル型環境モニタリングシステム(EcoMobileCitizen)の設計開発を行い、そのシステムを利用したラグランジュ的環境モニタリングの実施をつくばと東京で行った。ここでは筑波大学を中心に学生の観測協力者(利用者)を募り、センサーを配布した。観測は、歩行もしくは自転車による移動をベースとした。その結果、大気汚染現象の局地性がきわめて高いことが具体的な時空間情報として示された。大気汚染への人体暴露影響研究においては、個人個人の行動が多様であるため、暴露情報を時空間的にトレースしていくアプローチが重要であることが改めて認識される結果となった。また、個別の観測者の動きを制御することは困難であるため、モニタリングされたデータの解釈自体にも課題(バイアスなど)が存在することが明らかになった。さらに、送信された被験者の暴露情報(騒音や紫外線なども含む)と健康情報(呼吸数、血圧など)を組み合わせることにより、リアルタイムのリスク診断が可能となった。以上を踏まえ最終年度は、モニタリングデータをリアルタイムで利用者がシェアすることで期待される、環境そのものへの市民啓発、地方自治体における近隣環境政策への貢献を評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
挙動のやや不安定なアンドロイドを利用して構築されたシステムではあるが、そのパフォーマンスは予想以上に堅固であり、実用に耐えるものであると考えられる。最終年度にデータの蓄積を重ねていけば、システムの実用化に近づけることが可能と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当該システムを利用したデータ蓄積を重ねつつ、モニタリングデータをリアルタイムで利用者がシェアすることで期待される、環境そのものへの市民啓発、地方自治体における近隣環境政策への貢献を評価する。
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