2011 Fiscal Year Annual Research Report
斜面および構造物における効率的な光ファイバ計測システムの研究
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22510171
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 信也 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00300963)
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Keywords | 光ファイバ / ブラッググレーティング / 防災 / 歪みセンサ / 温度センサ |
Research Abstract |
本研究で提案する光ファイバセンサは、光ファイバブラッググレーティング(FBG)とフォトディテクタを組み合わせて従来のFBG歪みセンサよりも安価で且つ高速に動作し、さらに周囲温度の変化による測定値の誤差を補償する方法である。歪みによってFBGの反射スペクトルがシフトしたとき、ある特定波長において、その波長の反射率が変化することに着目すると、FBG反射スペクトルの単調増加区間における歪み量と特定波長の反射率の関係が一意に定まる。本年度は複数のFBGを縦続接続した多点計測システムへの発展を目指し、これまでに構築したシステムのレーザ光源を連続光からパルス光に変えて動作確認を行った。FBGからの反射パルス光をフォトディテクタで検出してその出力電圧をオシロスコープにより測定する。各FBGからの反射パルスは、距離に応じて遅延が発生するため時間軸上で分離することが可能となる。分離されたパルスのピーク電圧の変化から各FBGに加えられる歪み量に換算することにより、狭帯域光源とフォトディテクタを用いたFBG歪みセンサの多点計測システムが構築できる。 (1)FBGに狭帯域パルス光を入射し、その反射パルスをフォトディテクタで検出して出力電圧をオシロスコープで測定する。オシロスコープの測定データをPCに取り込み時系列データの中からピークを検出した。 (2)検出したピーク電圧の値とFBGに加わる歪み量との関係を調べ、歪み量を算出するための関数化を行い、これまで連続光を用いた測定システムの光源をパルス光に換えた場合でも歪みセンサとして動作することを確認した。 (3)同じ原理により、FBGからの反射パルスのピーク変化から温度測定を試み、同一光源を歪み測定用センサFBGと温度測定用センサFBGに分岐して入射することによって、その同時計測が可能であることを確認した。 (4)ただし、オシロスコープで計測した電圧のピーク値を検出して直接歪み量または温度に換算する方式の場合、ノイズ等による変動が比較的大きく、それが測定誤差となって現れるため、電子回路によるフィルタをオシロスコープ手前に挿入するか、測定したデータに対してデジタルフィルタをかけるかいずれかの操作が必要であり、その検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FBGセンサシステムにおいて使用する光源に狭帯域パルスを用いて、その反射光をフォトディテクタおよびオシロスコープを用いて測定し歪みに換算できることを確認し、今後の多点測定に向けた基本的な検討が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果を元に、今後は複数のFBGを縦続接続した多点計測システムへの発展、および同一システム内に温度測定用FBGを混在させて、周囲温度変化によって生じる測定誤差を補償するシステムの開発を試みる。パルス光源を用いることで影響が大きくなるノイズ対策についても測定回路へのフィルタ挿入あるいは測定データへのデジタルフィルタ処理の検討を引き続き行う。
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Research Products
(1 results)