2012 Fiscal Year Annual Research Report
地震火災時の人的被害を考慮した消防運用戦略に関する数理的研究
Project/Area Number |
22510172
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
糸井川 栄一 筑波大学, システム情報系, 教授 (80334027)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 地震火災 / 市街地火災 / 消防力運用 / 人的被害 / 東日本大震災 / 津波起因火災 |
Research Abstract |
本研究は,大規模地震時における人的・物的被害の軽減のために,消防隊等による消防力の運用とその効果定量的に分析し,戦略的な消防運用を明らかにする事を目的とする.主たる研究成果は,次の通りである。1.消防隊等による消防活動の被害軽減効果分析 既往研究としてほとんど存在しない住民の広域避難リスクに関する定量的評価の方法についてシミュレーションモデルを構築しケーススタディーを実施した.その結果,平常時における不慮の事故のリスクと比較すると,地震火災からの広域避難時の被災可能性は低いく,早期の消火活動を充実せることによって出火件数を減少させた場合の被災可能性の大幅な改善が期待できることを示した.出火確率が相対的に低いとされている火気器具・電機製品への買い換えを促進するとともに,早期消火を促すような消防力整備は,火災による物的被害の軽減のみならず,広域避難という観点からも重要であることを定量的に明らかにした。2.津波起因火災における消火活動実態と消火活動困難性分析 本研究の当初段階では,津波を想定しない大都市域の地震時市街地火災を念頭に,消防活動による人的被害の軽減効果を定量的に推計し,より効果的な消防活動戦略を検討するものであったが,東日本大震災の発生を受けて,津波の襲来を前提とした戦略的な消防活動について調査・研究することが必要と判断し,火災拡大状況,消防活動状況,活動困難要因について,被災地の消防隊・消防団・住民に対する聞き取り調査を行った。その結果,津波火災の実態及び津波火災現場における消火活動の実態と,(1)津波浸水区域内で発生した火災現場は流出物等が散乱しており,容易に接近することが困難なこと,(2)津波再来襲危険があること,(3)津波被害に遭った方の救助や救護を優先する必要があることなどから初期消火を行うことが難しい,等の消防活動の困難要因を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)