2010 Fiscal Year Annual Research Report
夜間の災害救助活動における照明環境整備に関する調査研究
Project/Area Number |
22510174
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
秋月 有紀 富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (00378928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 広隆 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60286630)
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Keywords | 都市・社会防災 / 災害救助環境整備 / 照明器具 / 視認性 / 演色性 / 輝度分布 / 分光特性 / 救助隊員 |
Research Abstract |
災害現場で実際に救助活動を行う人々が夜間の活動時にどのような視覚的問題を抱えているかを把握し、将来の災害時対応において適切な夜間視環境を提供するための基礎データを収集することを目的として、東京消防庁等に所属する現職の救助隊員57名を対象にアンケート調査を行った。回答した救助隊員の8割は災害現場で視力矯正する必要が無く、ハイパーレスキューHR隊員の3割はレーシック手術を行っている。救助隊員に支給されるヘッドライトは光量や照射範囲に対して満足されておらず、そのためHR隊員の約7割が私費で対応している。救助隊員が個々に利用する小型照明器具の問題は災害現場によって異なっており、水難救助では光量不足以外に持久性不足も指摘されていた。 また、救助隊員が実際に現場で使用する小型照明器具10台について、形態や仕様、光束や照射範囲、分光分布等を測定した上で、その器具による色の見えについて検討した。LED光源において光源の器具は重量が軽く小型で最小80gである一方、水難救助に利用される耐水性・耐深性の器具は1104gの大型もある。光量に関する情報はカタログに表記されていないが、特にLED光源の器具において個体差が大きく、最大使用時間と共に表記する必要がある。最大光源輝度は平均15400cd/m^2と高い。照射範囲・配光・分光分布も器具の個体差が大きい。分光分布データを用いて平均演色性評価数を算出すると、LED光源の器具は70~82と低い。標準イルミナントAに対する肌の色差はLED光源の器具で最大88と非常に大きく、日常の照明環境と比べて肌や患部の色の見えが異なることを示している。 さらに刻一刻と変化する活動現場の輝度分布を測定する手法を構築するため、ハイスピードデジタルカメラを用い、測定輝度レンジを限定することで単一露出撮影画像から輝度分布を算出する方法を試みた。
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Research Products
(5 results)