2011 Fiscal Year Annual Research Report
夜間の災害救助活動における照明環境整備に関する調査研究
Project/Area Number |
22510174
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
秋月 有紀 富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (00378928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 広隆 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60286630)
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Keywords | 都市・社会防災 / 災害救助環境整備 / 視認性 / 色覚 / 輝度分布 / 避難所 |
Research Abstract |
瓦礫の下の救助活動での圧迫障害・ショック状態などの被災者の皮膚性状を把握するため、皮膚の分光反射特性データを収集し、同等の色票を作成することを目標として研究を開始したが、連携研究者が所属する調査協力機関は東日本大震災時の拠点病院であったため、別の調査協力機関への調整を行った。また患者のショック状態における皮膚色の変化が大きいことを定性的に把握し、まずは健常者において擬似的なショック状態の皮膚測色の大量データを収集して個人差および個人間の変動を把握することを目的として、富山大学学生を被験者とした予備検討(8名)と本実験(32名)を実施した。そして正常状態・虚血状態(擬似的なショック状態で最も皮膚色が白い状態)・再貫流状態(擬似的な鬱血状態)について、分光反射特性・マンセル表色系の色票・虚血~正常状態の色差・再貫流~正常状態の色差などのデータを収集した。 さらに2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震において、2011年6月の時点で避難所として利用された体育館等の施設を対象とし、夜間の照明状態について避難所設備管理者および行政スタッフへのヒアリングを行い、災害時における避難者の生活空間における照明環境の実態を把握し、行政対応の限界や問題点について明らかにした。 また、輝度分布連続測定法の開発については測定方法の改良を行った。輝度を面的に高速に測定するため、2010年度はハイスピードデジタルカメラによる高速連続撮像画像を利用したが、この方法では撮像枚数の制約により測定可能な時間が数秒に留まる欠点があった。2011年度は、同じカメラによる固定露出の動画像を利用することとし、これを静止画像に分解した上で輝度値へ変換する方法を試みた。そして、この方法による測定が静止画像による方法と同等の精度を確保でき、かつ測定時間が記録媒体の容量分まで延長可能であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災が発生し、当初予定していたショック患者の皮膚測色の協力機関での実測が不可能になったため、別の協力機関との調整に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
健常者による擬似的ショック状態の皮膚測色に基づくデータベース作成を早急に行い、ショック患者の皮膚測色の新たな協力機関と共にそのデータベースの検証を行う。また短時間輝度分布測定システムを年度の早期段階において構築し、屋外の夜間照明環境においてその精度を確認する。
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