Research Abstract |
平成22年度は,移動単一カメラ映像からの背景推定と前景(歩行者や車両等)の検出法について次の研究を行い,成果を挙げた Harris検出器を用いて画像から特徴点の抽出を行い,LK法(Lucas-Kanade法)を用いたフレーム間の特徴点追跡によって移動ベクトルの算出を行い,この移動ベクトルに含まれるアウトライアをRANSACで除去してカメラ運動の推定を行い,このカメラ運動を利用して背景推定を行うという手法を開発した.背景の推定により,背景でない部分が前景(歩行者)として検出される.背景計算法としては,時間メディアン法,移動平均法,正規分布法の3手法の比較を行い,正規分布法の優位性を実験的に示した.レンタカーで歩行者の含まれる実環境(大学周辺や駅周辺等の交差点等)の映像を撮影し,それを用いて上記方法の検証を行った.実験結果については国内・国際会議および論文誌にまとめた また,背景の正規分布数を可変にする背景計算法を考案し,それに基づく背景推定によって前景(歩行者や車両等)を検出する手法を開発し,交差点における右折映像で検証を行った.また,時間経過による明るさ変動に対する本手法の性能を調べるため,異なる天候による実環境(大学周辺,駅周辺等の交差点)の映像を撮影し,照明変動のロバスト性の検証を行った.その結果を国際会議および講演会で発表し,提案法の有効性を示した 正規分布法による前景抽出においては,歩行者の形状を正しく抽出した割合は平均82%であった.しかし,処理時間はIntel Core2(2.4GHz)のCPUを用いた場合,1フレームあたり平均39.6msが必要であったため,更なるアルゴリズムの改良を検討している
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