2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマンエラーの発生に及ぼすアウェアネスレベルの影響
Project/Area Number |
22510182
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Research Institution | Miyagi Gakuin Women's University |
Principal Investigator |
大橋 智樹 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (00347915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 宏之 新潟中央短期大学, 幼児教育科, 講師 (80389949)
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Keywords | ヒューマンエラー / 生理指標 / アウェアネスレベル / 産業現場適用 |
Research Abstract |
ヒューマンエラーの予防は、安全で安心できる社会構築にとって非常に重要かつ喫緊の課題である。本研究は、認知科学や脳科学分野で中心的なテーマであるアウェアネス(自覚状態)について実証的な研究を行ってきた応募者らが、アウェアネスレベルという新たな概念を提唱し、それをH/Eの予防に有用であると着想したものである。具体的には、(1)ヒューマンエラーの予防に資することができるよう産業現場でも適用可能な測定技法の開発をし、(2)開発した測定技法の産業現場における実践的検証を行うことを目的とした。 平成22年度は,アウェアネスレベルと関連のある生理指標を抽出するために,1.アウェアネスレベルを操作できる課題(AL課題)を作成し,2.AL課題遂行中の実験参加者の生理指標(心拍,脈派,呼吸,瞬目,体表面温度,スキンコンダクタンス,前頭葉活動)を測定した。1においては,いくつかのプログラムを作成して試行した結果,画面上のターゲットをマウスでトラックさせる課題が最適であった。これは,マウスの動きと画面上のポインタの動きとが一定角度ずらされているトラッキング課題であり,実験参加者をずれていることを教示される群と教示されない群とに分けることで,実験参加者のアウェアネスレベルを操作したものである。課題の難易度は同一であり,違う点はマウスとポイナタのズレを意図的に修正するか,無意図的に修正するかの違いであり,アウェアネスレベル高群と低群とみなすことができる。これら両群の生理指標を比較することで,アウェアネスレベルに関連する生理指標の抽出を試みた。
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