2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510192
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小田 義也 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (30336523)
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Keywords | 地下構造探査 / 地殻不均質構造 / アスペリティ / ニューラルネットワーク |
Research Abstract |
本研究は活断層のアスペリティ分布を事前に予測するために,詳細な地下構造を推定する手法の開発を行い,それを用いて過去の被害地震を対象とした地下構造の推定と本震時のすべり量分布との比較を行い,その相関性について検討を行うことを目的としている。 今年度(10月20日交付内定)は,開発および解析の環境を整えるとともに,予備的な解析として2000年鳥取県西部地震,および2004年新潟県中越地震の震源域で行われた臨時余震観測データを用いてDDトモグラフィ法による地下構造探査を実施した。得られた地下構造(地震波速度構造)と本震のすべり量分布とを比較した結果,2000年鳥取県西部地震,2004年新潟県中越地震とも断層面内において地震波速度の高速度領域とすべり量の大きい領域とがよい対応を示すことがわかった。ただし,定量的な評価はまだできていない。 また,新しい解析手法としてニューラルネットワークを用いたトモグラフィ手法の開発に着手した。数値実験を行った結果,比較的少ないデータ数からも良好な精度で地下構造を推定することができた。ニューラルネットワークを用いた新しい手法では,従来法のように地下をデータ量(波線密度)に合わせて離散化する必要がなく,データ量に応じた解像度が得られるという大きな利点がある。 今後,波形情報を利用したより高精度な解析手法の開発を行いつつ,さらに多くの被害地震を対象とした解析を実施し,地殻不均質構造とすべり量分布との相関性を定量的に把握する。
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