2010 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアの生育に必須な「外来遺伝子群抑制システム」の解析
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22510204
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
加藤 潤一 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (10194820)
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Keywords | 大腸菌 / ゲノム / 染色体 / 外来遺伝子 / プロファージ |
Research Abstract |
(1)必須遺伝子rho、yqgFの解析 yqgF遺伝子の生物学的機能については、遺伝学的解析によりRhoタンパク質依存性転写終結配列を遺伝子内や遺伝子の上流に持つlacZ、tna遺伝子の発現にYqgFタンパク質が必須であることが明らかになり、Rhoタンパク質依存性転写終結配列に対する抗転写終結に関与する事が示唆された。YqgFタンパク質の生化学的機能については、超らせん構造を持つDNAを鋳型にした時の転写を促進する活性が同定された。精製した変異型YqgFタンパク質を用いて転写を促進する活性について調べた結果、変異型YqgFタンパク質では転写を促進する活性が見られないことがわかり、転写を促進する活性は生育に必須な機能と関連していることが示唆された。 (2)必須遺伝子ygjD, yeaZ, yjeEの解析 遺伝学的解析からYgjD, YeaZ, YjeEが転写、特に抗転写終結に関与することが示唆されたので、ygjD温感受性変異株についてマイクロアレイを用いた解析を行った結果、thr,ilvオベロンの発現が増大していることを見出した。そこでlacZ遺伝子をレポーター遺伝子に用いてさらに詳細な解析を行ったところ、これらのオペロンにおける転写減衰が減少することがわかった。 (3)外来遺伝子領域を欠失させた菌株の作製 我々はこれまでに染色体広域欠失株を系統的、網羅的に作製し、また染色体の約30%を欠失させた染色体大規模欠失株の作製に成功している。大腸菌染色体にはウイルスゲノム由来の外来遺伝子領域更(プロファージ)が8カ所知られているが、この染色体大規模欠失株ではすでに4カ所が欠失しているので、残りの領域などを欠失させ、染色体の約40%を欠失させた菌株を作製した。
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Research Products
(3 results)