2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510208
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
新海 暁男 独立行政法人理化学研究所, 機能解析第1研究チーム, チームリーダー (10391989)
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Keywords | 転写因子 / 機能未知遺伝子 / 高度好熱菌 / Thermus thermophilus / TetRファミリー / mRNA / 機能発見 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、遺伝子数が2,200個と比較的少ない高度好熱菌Thermus thermophilus HB8株をモデル生物として用い、ゲノム全体の約1/4~1/3も存在している機能未知遺伝子を転写制御の観点から分類し、それらの機能を推定することである。ある1つの転写因子が複数の遺伝子を制御している場合、それらの遺伝子の機能は関連している場合が多いので、転写因子の標的遺伝子の中に機能既知遺伝子と機能未知遺伝子が含まれていれば、機能未知遺伝子の機能を推定できる。本年度は、本菌株が持つ、数多くの遺伝子の発現を制御しているグローバル転写因子TetRファミリーに属するTTHA0101及びTTHA0973蛋白質の機能解析を行った。(1)TTHA0101(FadR):これまで、本蛋白質が脂肪酸の分解に関与している遺伝子群を負に調節していることが示唆されていた。本年度は、新たに、FadRにより調節されているオペロンを1つ発見した。さらに、FadRが標的遺伝子のプロモーター領域に結合することを見いだした。これらの結果、FadRは、9個のプロモーターを標的とし、機能未知遺伝子2個を含む21個の遺伝子の発現を負に制御していることが明らかとなった。(2)TTHA0973:本転写因子に結合するDNA断片をgenomic selex法を用いてスクリーニングし、それらの塩基配列を解析し、本転写因子の標的塩基配列を推定した。さらに、各種生化学実験の結果から、本転写因子は、機能未知遺伝子1個を含む、フェニル酢酸の分解に関与している2つのオペロンを負に調節していることが強く示唆された。一方、フェニルアセチルCoAの共存下では転写抑制能が消失したので、フェニルアセチルCoAが本タンパク質のリガンドであることが強く示唆された。
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Research Products
(2 results)