2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510208
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
新海 暁男 独立行政法人理化学研究所, 機能解析第1研究チーム, チームリーダー (10391989)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 遺伝子発現調節 / X線結晶構造 / 機能発見 / 機能ゲノム科学 / Thermus thermophilus / 蛋白質 / TetRファミリー / 転写因子 |
Research Abstract |
本研究の目的は、遺伝子数が比較的少ない高度好熱菌Thermus thermophilus HB8株をモデル生物として用い、ゲノム全体の約1/4~1/3も存在している機能未知遺伝子を転写制御の観点から分類し、それらの機能を発見する手がかりを得ることである。ある1つの転写因子によって制御されている遺伝子群の機能は関連している場合が多いので、機能未知遺伝子の機能を、同時に制御されている機能既知遺伝子の機能から推測できる可能性がある。そこで我々は、各転写因子の機能解析を行なってきた。本年度は、TetRファミリーに属する2つの転写因子の機能解析を行った。1、PfmRは、脂肪酸、或いは、フェニル酢酸の代謝に関与していると思われる8個の遺伝子を負に制御している転写因子である。X線結晶構造解析の結果、PfmRのDNA結合ドメインの構造が、転写因子QacRのDNA結合ドメインの構造に類似していた。さらに、QacRと同様に、PfmRも、1分子の標的DNAに対し2つの二量体分子が結合することが明らかとなった。2、SbtRは、トランスポーター様遺伝子1個、糖・アミノ酸・核酸の代謝に関与していると思われる遺伝子7個、及び、機能未知遺伝子2個を負に制御する転写因子であることが明らかとなった。多くのTetRファミリー転写因子の場合と異なり、SbtRには、二量体の界面に分子間S-S結合が1つ存在することがX線結晶構造解析から明らかとなった。Cys残基をSer或いはAlaに変異させるとSbtRの熱安定性が低下した。一方、本変異体は二量体を形成し、野生型と同様の転写抑制活性を示した。S-S結合は、SbtRのDNA結合能を調節するリガンドが結合すると思われる部位の近傍にあるので、リガンドの結合に関与している可能性がある。すなわち、SbtRの機能は、細胞内の酸化・還元の調節と関連している可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|