2010 Fiscal Year Annual Research Report
老化関連遺伝素因が健康長寿に及ぼす影響:老化表現型に関するゲノム疫学研究基盤整備
Project/Area Number |
22510211
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神出 計 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80393239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楽木 宏実 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20252679)
大石 充 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50335345)
勝谷 友宏 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授 (30311757)
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Keywords | 健康長寿 / 遺伝素因 / 長寿関連遺伝子 / 一塩基多型 / 心血管疾患 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
加齢は多くの病気の最大の発症要因である。本研究は、老化や長寿に関連すると考えられる遺伝子の遺伝素因(多型・変異)が、健康長寿や虚弱性(frailty)、高血圧、糖尿病、動脈硬化症といった生活習慣病に及ぼす影響を明らかにし、疾病の病態解明やゲノム創薬に繋げることを目的としている。 本年度は本研究課題の核となる高齢者コホート研究(関西健康長寿研究)を大阪大学人間科学部、歯学部と連携し開始した。本研究は100歳、90歳、80歳、70歳の都市部・山間部在住の高齢者計1700名程度を対象に、遺伝素因、血圧やその他の生活習慣病の状態、動脈硬化度、肺機能といった医学的側面、生活歴、学歴、家庭環境、性格、認知機能などの心理学的側面、口腔内衛生状態といった多面的に健康長寿に関わる要因を検討する我が国でも初めての高齢者コホート研究である。22年度はこの研究の倫理審査を申請し、承認され、研究を開始した。来年度以降も継続していく。本関西健康長寿研究において、高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病への長寿関連遺伝子の関与を検討していく予定であるが、本年度はマウスにおいて明らかになった長寿遺伝子klothoの高血圧合併症への関与を調べた。我々がすでに動脈硬化への関与を指摘している一塩基多型rs650439 (Oguro R, et al.Geriat Geront Int 2010)のリスクアレルを有する高血圧患者は将来の脳卒中発症が有意に多い可能性を示した(平成22年日本老年医学会総会)。このように長寿関連遺伝子の遺伝素因は確かに高血圧など生活習慣病、心血管病の発症・進展と関連している可能性があるため、今後も研究を継続し、さらに複数の遺伝子の関与を明らかにして行く予定である。
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Research Products
(8 results)