2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510218
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
池野 正史 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80298546)
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Keywords | ヒト人工染色体ベクター / HAC / HLA-G / 遺伝子発現制御 / プロモーター / クロマチン / ゲノム / 組換え |
Research Abstract |
本研究の目的は、ヒト細胞内で自律複製し、1コピーで安定に維持されるHACベクターを利用して、ゲノム配列機能を検定する方法の開発と確立である。今年度はヒト主要組織適合抗原遺伝子クラスターの一つであり、組織特異的な発現を示すHLA-G遺伝子の発現制御に注目して解析を行った。 1、HLA-Gの転写開始点を基準に、上流7kbまでの長さのDNAコンストラクトを系統的に作製した。次にHACベクターを保有するヒトHT1080細胞への導入と、細胞内でのCre/lox組換え反応により、HACベクターに1分子の各コンストラクトが搭載された細胞株を樹立した。これにより、予期しない周囲のクロマチンエピジェネティクスの影響を排除した条件下で、目的のDNA配列とその機能とを1:1対応で検定できる基本的な解析系を構築した。 2、様々なDNAコンストラクトのHLA-G遺伝子の発現を、ウエスタン法により内在性HLA-Gの発現が抑制されているHT1080細胞で解析した。各コンストラクトにつき10株を検定することにより、細胞ごとの差異の程度と平均値を算出した。その結果、HLA-G遺伝子の上領域に発現を抑制する配列を検出した。 3、検出された配列の発現抑制効果を検証するために、HLA-Gの最小プロモーターやCMVプロモーターとGFP遺伝子からなる発現カセットの上流に目的配列を連結し、細胞内でGFP遺伝子の発現を指標とする検証コンストラクトを構築した。今後、HACベクターに検証コンストラクトを搭載し、清伝子抑制効果について検討を行う。
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