2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510225
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
渋谷 雅明 新潟薬科大学, 薬学部, 教授 (50170923)
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Keywords | 生合成の人為的制御 / 生合成工学 / 異種発現系 / トリテルペンサポニン / β-アミリン / 酵母 |
Research Abstract |
本研究では、生合成工学を利用してトリテルペンサポニンを異種発現系で大量に供給すること、及び、骨格生成、水酸化、そして配糖化反応を人為的に制御し、多様な活性をもつ新規トリテルペンサポニンを創出することを目的としている。 本年度は本研究の初年度であり、また本研究者が東京大学から新潟薬科大学へ転任した初年度であるので、東京大学で行った研究の追試となる「β-アミリンの酵母での生産」を行うことにした。 既にクローニング済みのエンドウ(Pisum sativum)由来β-アミリン合成酵素を酵母発現ベクターpYES2に組み込みpYES-PSYを構築した。プラスミドpYES-PSYを、大腸菌を利用して大量に調製した。プラスミドpYES-PSYをラノステロール合成酵素遺伝子欠損酵母GIL77に導入した。形質転換酵母GIL77/pYES2-PSYを培養し、ガラクトースで導入遺伝子の発現を誘導した。培養、誘導後の酵母から脂溶性画分を抽出し、TLCでトリテルペンの生産を確認した。抽出エキスをシリカゲルカラムクロマトで分画し、β-アミリンを単離した。2リットルの形質転換酵母の培養から、20mgのトリテルペンを単離することができた。得られたトリテルペンは、NMR解析の結果からβ-アミリンであると同定した。β-アミリンの収量は、10mg/Lであった。 β-アミリン合成酵素の酵母での発現によるβ-アミリンの生産の再現性を確認することができた。10mg/Lという収率は必ずしも高いものではない。今後、培養条件等の検討を行い、収率の上昇を追求したと考えている。
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