2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510226
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
芦原 坦 お茶の水女子大学, その他部局等, 名誉教授 (00017211)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 植物 / 生理学 / 代謝 / 分解 / 生合成 / 酵素 / 異化 / 細胞組織 |
Research Abstract |
本年度は,ピリジン環をもつニコチン酸からの抱合体の合成とピリジン環の分解について研究を行った. 1)植物のニコチン酸抱合体の多様性の解明 ピリジンヌクレオチドサイクルで生じるニコチンアミドは,ニコチン酸に変換され,一部はサルベージ経路によりNADやNADPの再生に使われるが,それ以外にその抱合体であるトリゴネリンか,ニコチン酸グルコシドの合成に使われる.調べられたすべての植物でこの抱合体合成が見られた.例外はあるものの,ニコチン酸グルコシドをつくる植物は,シダとキク亜綱以降の双子葉植物で多く見られた.シダでは,ニコチン酸グルコシドが合成されたが,裸子植物では,両者が合成されるソテツ以外では,トリゴネリンが合成された.単子葉植物は,コミノクロツグ以外はトリゴネリンがつくられた.双子葉植物では,39種中25種でトリゴネリンが,12種がニコチン酸グルコシドをつくった.どちらをつくるかの境界は,例外もあるがマメ目とアブラナ目の間にあった.また,ジャガイモのように,葉ではトリゴネリンを,根ではニコチン酸グルコシドをつくるものが見られた.すべての植物では合成能はあるが,これらの物質の蓄積は限られた植物のみでしか検出されなかった. 2)ピリジンの分解経路の解明 ニコチン酸のピリジン環の分解は,Pseudomonas putidaではマレアミド酸経路で行われるが,植物にはこの経路は機能していなかった.チャ葉では,ニコチン酸は,分解されることが明らかにされたので,[2-14C]ニコチン酸を葉の切片に投与して,その代謝を詳しく調べた結果,ニコチン酸は,ニコチン酸グルコシド,グルタル酸を経由して,最終的には二酸化炭素にまで分解されることが明らかになった.この植物に特有なピリジンの異化経路は,他の生物には見られないものであり興味深い.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Comparison of the formation of nicotinic acid conjugates in leaves of different plant species2012
Author(s)
Ashihara, H., Yin, Y., Katahira, R., Watanabe, S., Mimura, T. and Sasamoto, H
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Journal Title
Plant Physiology and Biochemistry
Volume: Vol. 60
Pages: 190-195
DOI
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