2012 Fiscal Year Annual Research Report
陸棲シアノバクテリアが営む無水生活様式を司る機能性分子の解明
Project/Area Number |
22510227
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
坂本 敏夫 金沢大学, 自然システム学系, 准教授 (70324069)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 極限環境生物 / 紫外線 / 抗酸化活性 / 配糖体 |
Research Abstract |
陸棲シアノバクテリア(Nostoc commune)は乾燥状態で100年以上の長期にわたり生命を維持し,吸水することによって生命活動を再開する。本研究の目的は,本生物がもつ機能性分子を解析し,極限的な乾燥耐性における役割を明らかにすることである。 (1)N. communeは,紫外線吸収物質としてMycosporine like amino acid (MAA)をもつ。これまでに分子量478 Daおよび1050 DaのMAA配糖体を明らかとしている。本年度はさらに研究を進めて,分子量508 Daおよび613 Daの新規MAA配糖体を抽出・精製することに成功し,これらの化学構造を解明した。また,これらの新規MAA配糖体は,これまでに明らかにしたMAA配糖体と同様に抗酸化活性を示した。以上の結果は,N. communeで見いだされるMAA配糖体は,共通の性質として,紫外線防御だけでなく酸化ストレスに対する防御にも働く多機能性分子であることを示す。 (2)N. communeと遺伝的に近縁ではあるが乾燥耐性を示さない水棲シアノバクテリアNostoc verrucosum(アシツキ)において,本生物がもつMAAを抽出・精製して解析を行った。その結果,N. verrucosumは,紅藻で報告されているポルフィラー334をもつことが明らかとなった。これまでにN. communeがポルフィラ-334配糖体をもつことを明らかとしており,N. verrucosumは糖鎖の付加機構をもたない祖先的なシアノバクテリアであると考えられる。 (3)複数の地点から採集したN. communeの試料について,これらの遺伝子型と含まれているMAA配糖体のタイプの違いを解析した。その結果,含まれているMAA配糖体による違いが発見され,N. communeは3種類の型に大別されることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)