2010 Fiscal Year Annual Research Report
質量分析法による蛋白質末端解析プラットフォーム構築のための基盤要素技術の確立
Project/Area Number |
22510230
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
九山 浩樹 大阪大学, 蛋白質研究所, 寄附研究部門准教授 (60437332)
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Keywords | 質量分析 / 蛋白質一次構造解析 / N末端配列解析 / de novo配列解析 / 翻訳後修飾解析 |
Research Abstract |
本研究では蛋白質の正確な構造決定のための質量分析による方法を開発している。アプローチとして採用したのはNおよびC末端部位の正確な構造決定である。平成22年度に実施した研究の成果について以下に記す。 1) N及びC末端ペプチド単離時のスカベンジャー担体の探索 非特異的吸着が無く、目的外の内部配列ペプチドを効率よく捕捉する担体の選択は極めて重要である。現時点ではガラスを担体として用いており、今回ガラスビーズの内孔径が異なるもの(300~2000オングストローム)を用いて実験を行った。用いた中では1400および2000オングストロームのものが他のものよりよい結果を示した。 2) オキサゾロンによるカルボキシル基の選択的活性化を利用するN末端解析法開発(Analyst, 136, 113-119, 2011) 今回開発したのはN末端がアセチル基などで修飾された蛋白質のN末端部位のアミノ酸配列をデータベース検索によらずに(de novoで)決定する方法である。オキサゾロンによるカルボキシル基の選択的活性化を活用し、アルファカルボキシル基にTMPPタグを結合させることでN末端修飾蛋白質のN末端ペプチドのde novoでの配列解析を行う。この方法により、エドマン法で解析できなかったN末端修飾蛋白質のN末端部位のアミノ酸配列解析が可能となった。 3) アルギニンの化学変換によるde novo配列解析法の開発(Anal.Methods, 2, 1792-1797, 2010)質量分析によるde novo配列解析を行う場合、アルギニン残基の存在はフラグメントイオンの検出不能という結果となり、配列解析ができない。この様な場合、アルギニン残基を修飾して解決することが行われている。今回の研究では当該残基をオルニチンに変換すると配列解析が可能となることを見出した。
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