2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510237
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊藤 隆 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (80261147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 正規 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70346310)
PETER Guentert 首都大学東京, 戦略研究センター, 客員教授 (20392110)
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Keywords | NMR / プロテオミクス / 立体構造 / 最大エントロピー法 / 非線形サンプリング / 蛋白質 / 自動立体構造計算 / 異種核次元NMR |
Research Abstract |
本研究は,構造プロテオミクス研究をさらに前進させるための新しい技術基盤の創生を目指し,解析が非常に困難な生体高分子試料(実験条件下で不安定,溶解度が低い等)に対して,構造・機能解析を行う手段として,実験科学と情報・計算科学を融合した新しい総合的なアプローチを模索するものである H22年度は,本研究の2つの研究手テーマのうち「迅速で高感度な異種核多次元NMR測定法」として,非線形サンプリング法を利用し,従来法の10%以下の測定時間で同程度の感度・分解能と,正確なクロスピークの相対強度を持つスペクトルを得る方法の検討を行った.その結果,半日~1日程度の測定時間で従来法に比して充分な感度と分解能の4D NMR測定が可能であること,またNOESYスペクトルのようにある程度の強度の正確性が要求される測定にも適用可能であることが示された.また,従来のMaxEntを用いたデータ処理法の改良版であるquantitative MaxEnt (QMEM), multidimensional deconvolution (MDD)を用いた精度の高い多次元NMRスペクトルの再構成ソフトウェアの検討も行った また,「限られた構造情報からの効率的な立体構造解析法」として,NOESYスペクトルのみから完全に自動で立体構造解析を行うシステムの構築に成功した.このように客観的で再現性の高い解析法は,様々なより難しい試料において非常に有用であると考えられる
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