2011 Fiscal Year Annual Research Report
アーユルヴェーダ生薬からPPARの発現制御を指標とした生活習慣病改善物質の探索
Project/Area Number |
22510240
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
松田 久司 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (40288593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 雅之 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (90116129)
中村 誠宏 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (20411035)
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Keywords | アーユルヴェーダ生薬 / PPARγ / 生活習慣病 / メトキシフラボノール / アポルフィン型アルカロイド / 構造活性相関 / piperlonguminine |
Research Abstract |
インドのアーユルヴェーダ医学において肥満、糖尿病、動脈硬化などに有効と解釈される薬効が伝承され、食経験があるなど安全性が確立している薬用植物を探索資源とし、糖尿病や肥満などの生活習慣病の改善を目的とした核内受容型転写因子のひとつであるペルオキシゾーム増殖因子活性化受容体(PPAR)の発現を制御する物質の探索を行った。in vitroの一次スクリーニング方法として脂肪前駆細胞3T3-L1細胞を用いた脂肪細胞への分化促進作用や脂肪酸のβ酸化による肝細胞中の中性脂質量の減少を指標にPPARγおよびαアゴニスト様物質探索のための候補となる薬用植物の選別を行った。さらに、初年度にショウガ科植物Kaempferia属やミカン科Citrus属植物およびハス(Nulumbo nucifera)のPPARγアゴニスト様作用成分の単離を行い、活性成分としてメトキシフラボノール類やアポルフィン型アルカロイド類を見出したことから、今年度はより詳細な構造活性相関を明らかにする目的で、それらの誘導体の合成および作用機序について検討した。その結果、フラボノール類のメトキシ基の重要性とPPARγの発現亢進に関与するC/EBPαおよびβのmRNAレベルの発現亢進作用を確認した。また、コショウ科植物から得られたアミド成分piperlonguminineにPPARγの発現亢進作用を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に従い、研究を進め、PPARα受容体の発現亢進成分については、アシル化フラボノール配糖体以外に顕著な物質が見出されなかったが、PPARγ受容体の発現亢進作用成分を多数見出すとともに、活性発現に重要な部分構造や作用機序に関する知見を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに見出した活性化合物の原料植物中の含有量が少ないものが多いことから、抽出・単離精製のみでは量的な確保が困難であった。今後は、合成的手法によって量的な確保を行い、動物実験による効果や詳細な作用機序の解明について検討する。
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Research Products
(4 results)