2011 Fiscal Year Annual Research Report
抗かゆみ薬の探索を目的とする新規アッセイ法の開発と応用
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22510241
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
奥 尚枝 武庫川女子大学, 薬学部, 助教 (90281518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 京子 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (70151363)
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Keywords | 抗かゆみ / 天然資源 / 病態モデル / アッセイ法 / ストレス / アレルギー |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎などの治療に不可欠なかゆみ抑制薬の開発を目指し、数種のモデルマウスを用いて、かゆみの発症・増悪化因子に関する解析および天然資源からのかゆみ抑制物質の探索を試みた。 1.ストレスによるかゆみの増悪化モデルの構築:短期間に、再現性良く、ストレスホルモンである血中コルチゾール濃度の増加を伴う掻動作回数(かゆみ回避反応)の増加モデルの確立を試みた。ます、「動物の苦慮に対する配慮」を最大限に考慮したストレス負荷方法を決定する目的で、先の直接床電撃刺激法によるストレス負荷法から、身体への電気刺激を行わない比較的緩和な精神的ストレス負荷方法へと切り替えるため検討を行った。文献を参考にコミニュケーションボックス、ひげを短く切る、過密飼育などを順次、検討したが、掻動作回数および皮膚炎などの免疫応答に再現性が得られなかった。現在、引き続き、短時間拘束、匂いなどの方法を検討中である。 2.ストレスによるかゆみの増悪化因子の解明:増悪化に関連するタンパク質因子の探索を目的にしたプロテオーム解析を行う目的で、まず腸組織を試料に条件確立した蛍光差異タンパク質スポット検出法を、より微量な内皮の可溶性タンパク質に適用できるように改変した。 3.In vivoアッセイ法を用いたかゆみ抑制物質の探索:マウスの掻動作回数 (かゆみ回避反応)を指標としたアッセイ法を用いて、新たに活性を見出したHypericum patulumの花弁について、活性を指標にした活性物質の単離を行い、3種のトリテルペン類および1種のカテキン類を単離、構造解析した。そのうち、βアミリンが肥満細胞の脱顆粒に起因するかゆみを抑制することを初めて示した。現在、詳細な作用機序についても検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロテオーム解析の条件はほぼ確立できているため、かゆみとストレスの相関を短時間で、再現よく反映できるストレス負荷方法を見出せば、増悪化に関与するタンパク質因子の特定および解析が可能と考える。また、すでに確立した数種のアッセイ法を用いた新しいシーズ植物の探索や、活性物質の単離および構造解析もおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様に、新しい病態モデルの作製および天然資源からの抑制物質の探索とそのメカニズム解析を並行して進める。現在の問題点は「かゆみとストレスの相関を短時間で、再現よく反映できるストレス負荷方法」を見出すことであるが、本年度の成果、文献などを参考に、動物の苦慮に対する配慮を最大限に考慮しつつ、負荷方法の変更だけでなく、マウス種の変更やかゆみの惹起方法の変更も視野に検討を進める予定である。
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Research Products
(6 results)