2012 Fiscal Year Annual Research Report
外来ペット昆虫の生態リスク評価と管理へのDNAバーコーディングの応用
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22510247
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒谷 邦雄 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 教授 (10263138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 忠嗣 九州大学, 比較社会文化研究科(研究院), 助教 (90467944)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 外来種 / DNAバーコーディング / ペット昆虫 / 生態リスク / 進化的重要単位 / 在来種保全 |
Research Abstract |
平成24年度は、海外調査として、まず8月に日本に輸入されるクワガタムシやカブトムシ等のペット甲虫生体の最も主要な産地の一つであるインドネシア・スマトラ島北部で生態リスク評価の重要な基礎データとなる生態・行動調査とDNAバーコーディングによる判定の基準となるタクサの採集を実施した。また、1月にはアフリカ東部沿岸のセーシェル諸島において、10年程前から定着が確認されていた東南アジア産のチェリファーネブトクワガタに関して、近年における分布拡大や個体数増加の状況とともに、在来の腐朽材穿孔性甲虫類への影響など生態リスクに関して調査した。国内では、トカラ列島で外来種侵入状況の調査(7月)、三重県での定着が確認されたペット甲虫フェモラータモモブトハムシの分布拡大状況に関する調査(11月)、沖縄本島での外来甲虫であるサカイシロテンハナムグリの分布拡大や在来種との交雑状況に関して幼虫期に注目した調査(2月)、ペット起源と考えられる外来昆虫の採集記録が連続している広島県での調査(3月)をそれぞれ実施した。これら国内外の調査では、DNAバーコーディング解析用の試料の採取も実施し、正確なタクサの同定や定着した外来種の原産地の特定を試みた。また、保全すべき在来の進化的重要単位の検出も実施した。 上記の調査・研究の結果、スマトラから記載以来、謎の種とされてきたEurytrachelus dorcoidesの正体が、多数の生体が日本に輸入販売されているラマヒラタクワガタであることを突き止めるなどの成果を得た。これらの成果は、国内外の専門雑誌や学会で公表した。また、成果を取り入れた啓蒙用の一般書や同定用の図鑑の執筆も実施した。さらに、「コガネムシ研究会」のサイトを利用した外来種に関する情報収集も開始した。今後は同サイトを利用した社会への情報発信や啓蒙活動も実施していく。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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