2012 Fiscal Year Annual Research Report
野外および飼育下からなるコウノトリのメタ個体群における遺伝的管理の最適化
Project/Area Number |
22510248
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
内藤 和明 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 講師 (50326295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大迫 義人 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (40326294)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 保全 / 鳥類 / 遺伝解析 |
Research Abstract |
豊岡の飼育下および野外のコウノトリについて個体間の遺伝的距離を算出し,その結果から繁殖計画への示唆について検討した.従来行われてきたミトコンドリアのハプロタイプに基づく繁殖計画がうまく機能してきたこと,一方で,マイクロサテライトDNAに基づく遺伝的距離が離れた組み合わせであればハプロタイプが同一であっても繁殖ペアとして活用できる可能性を指摘し,今後の繁殖計画を立てる際にマイクロサテライトDNAの遺伝子型が参考となりうることを示した.野外での繁殖により巣立ちした個体で,遺伝的なオス親候補が複数ある個体について,マイクロサテライトDNAの解析結果に基づいて父性判定を行いオス親を特定した.その結果,これまでは一般的な繁殖開始年齢は3-4歳と見られていたが,満2歳に満たないオスでも繁殖可能であることが判明した.家系や遺伝情報を含む飼育個体の来歴とケージの移動や給餌などの飼育管理に関する情報を一元的に保存管理するデータベースを構築し運用を開始した.それらをまとめてそれぞれ論文として公表した.また,国内で豊岡に次ぐ個体数を飼育する多摩動物公園および他の飼育園館のコウノトリの一部について,マイクロサテライトDNAの解析を行った.豊岡個体群との間での明らかな差異は確認されなかった. 市民を対象に研究内容を紹介する機会として,コウノトリ・サイエンスカフェや多摩動物公園でのシンポジウムなどで,コウノトリの飼育下および野外個体群における遺伝的多様性の重要性やその維持管理方法について話題提供を行い,研究成果を社会還元した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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