2012 Fiscal Year Annual Research Report
砂浜沿岸域における小型甲殻類の生産構造の空間的変異
Project/Area Number |
22510252
|
Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
高田 宜武 独立行政法人水産総合研究センター, 日本海区水産研究所 資源生産部, 主幹研究員 (30372006)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山平 寿智 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (20322589)
村上 拓彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20332843)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 生態系保全 / 環境分析 / GIS / 海岸保全 / 海洋生態 / 個体群 / 生活史 / 景観生態 |
Research Abstract |
新潟周辺の小型甲殻類の生息状況に影響を与える環境要因を抽出するために、新潟県から山形県にかけて広がる61の砂浜の70地点において、汀線域の調査を計94回行い、小型甲殻類の生息状況と環境要因を記録した。生息密度の高い端脚目のナミノリソコエビは5段階に、等脚目のヒメスナホリムシとアミ目のコクボフクロアミは4段階に評価した。生物の分布に影響を与えると思われる要因として、人工護岸の有無、砂浜長、隣接する砂浜までの距離、河口の有無、河口までの距離、砂浜から1kmバッファ内の水深帯面積比率(0-5m、5-10m、10-15m、15-30m)、同バッファ内の海底傾斜、さらに、各砂浜から5kmバッファ内の表面水温およびクロロフィル量を衛星画像(MODIS)から、それぞれの砂浜についてGISを用いて求めた。また、現場調査時に測定した汀線域の傾斜・水温・塩分・溶存酸素のデータも解析に供した。これらの環境要因を用いて、3種の小型甲殻類の生息状況を累積ロジットモデルにあてはめ、パラメータをベイズ推定により求めた。その結果、生息状況に有意に影響を与える変数として海底傾斜が3種のモデルに共通して抽出され、共に緩い傾斜で高密度になる傾向が認められたが、他の変数は種間で異なった。また、昨年度に引き続いて砂浜性生物の安定同位体比分析を追加したところ、スナガニがナミノリソコエビやヒメスナホリムシの捕食者である可能性が示唆されたものの、炭素同位体比がこれら2種よりも低いため陸起源の有機物も摂食していると考えられた。さらに、日本海沿岸各地のナミノリソコエビのmtDNAのCOI領域には地域的な変異が認められたが、個体群構造の砂浜間変異との対応関係は明らかにならなかった。従って、砂浜の小型甲殻類の生産構造の変異には、遺伝的な要因よりも環境要因の影響が大きいと考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(4 results)