2011 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ大企業における仕事と家族の調整政策-日独比較の視点から
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22510255
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 洋子 筑波大学, 人文社会系, 教授 (90202176)
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Keywords | ワーク・ライフ・バランス / 時間政策 / ドイツ / 大企業 / 柔軟化 / ケア / 時間口座 / 女性活用 |
Research Abstract |
これまでの研究、企業調査をまとめ、その位置づけを行う作業をすすめつつ、広く研究成果を発表する機会を持った.1月には京都・国際高等研究所において研究報告「ドイツ経済界の女性への期待とワーク・ライフ・バランス」を行った.3月にはNHKラジオ第一・夕方ニュースにおいて、「労働・時間・家族のありかたを考え直す」をテーマに解説を行った.6月にはJIRRA日本労使関係研究協会・労働政策研究会議において、研究報告「ドイツにおける時間政策の展開」を行った.10月には「柔軟な働き方をめざして~ドイツと日本の試み」というタイトルで、『ワーク・ライフ・バランスの実現による次世代育成のための環境整備』基調報告を行った. 論文としては、『日本労働研究雑誌』に「ドイツにおける時間政策の展開」を発表した(査読つき).今年度はドイツでの新しい調査は行わなかったが、これまでの企業調査の整理と、歴史的文脈での位置づけ作業をすすめた.『ケアとはなんだろうか』(ミネルヴァ書房、2012年出版予定)に所収予定の論文「経済とケア」を執筆し、ワーク・ライフ・バランスの歴史的な必要性について、日本とドイツの19世紀から現在までの社会経済的状況の変化、工業化と企業活動の変化にもとづく比較分析を行った(ただし現時点ではまだ出版されていない). H24年度に行われる日独センター、ドイツ・ギーセン大学、筑波大学とのベルリン日独国際会議での報告に向けての準備を、特に時間政策の観点からすすめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地でのインタビュー調査、関連資料の収集と分析、分析結果の全体的な位置づけなどが、おおむね順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は最終年度として、現地での補足調査を行うとともに、アメリカ、ドイツでの国際学会・国際会議、また国内学会で研究成果を報告し、このテーマでの著書の最終原稿の仕上げを行っていきたい,
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