2013 Fiscal Year Annual Research Report
強制収容所の教育―移民国家カナダにおける国民意識形成と民族意識の相克
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22510256
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
溝上 智惠子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (40283030)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 教育学 / カナダ研究 / 移民史 |
Research Abstract |
本研究は、第2次世界大戦中に当該国の国民でありながら、当該国の政府から強制収容措置を受けた日系人の学校教育にかかる政策研究である。2013年度は、強制収容所において実施された学校教育のうち、カナダの連邦政府が直接関与しなかった中等教育に焦点をあて、いわゆる「白人」と呼称された人々のうち、中等教育を支援したキリスト教教会関係者の支援実態に関連する資料の収集と分析を行った。 その結果、キリスト教教会関係者は「私立学校」として収容先もしくは近隣に学校を設置し、日系カナダ人児童・生徒の教育にあたっていたこと、教材としてブリティッシュ・コロンビア州教育省が管轄する通信教育を利用していたことを明らかにするとともに、1940年代のブリティッシュ・コロンビア州における中等教育の概要、私立学校の状況および通信制高校教育についても分析を行った。 第1に、2012年度に収集したアメリカ合衆国ニューヨーク州にある、フランシスコのアトンメント会本部のアーカイブス(男子修道会と女子修道会の各アーカイブス)において収集した資料を、昨年度に引き続き詳細な分析を行った。第2に、カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州立文書館に所蔵されている1930年代から1940年年代にかけての高校視学官報告書や通信教育に関する資料を収集し、分析を行った。 なお、これらの成果は、2014年6月に開催される日本カナダ教育学会において、報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたカナダ・ケベック州にあるカトリック教会のアーカイブス等における資料収集は実施できなかったが、ブリティッシュ・コロンビア州アーカイブスにおいて、キリスト教教会関係者と通信制高校担当者の間における文書から、私立学校設立の経緯や教育内容を把握することができた。おおむね関連資料の収集は予定どおりに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度は本研究の最終年度である。2014年6月に開催される日本カナダ教育学会において、これまでの研究成果をとりまとめて報告を行うとともに、意見交換を通じて最終報告のとりまとめに反映させる予定である。なお、2015年度はカナダのブリティッシュ・コロンビア大学に滞在し、関連する情報のうち、収集が不十分な部分を追加で補う予定である。さらにアメリカとオーストラリアの状況に関しては、関連文献をほぼ収集できているので、あわせて詳細な分析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)