2010 Fiscal Year Annual Research Report
現代パレスチナ文化の動態研究-生成と継承の現場から
Project/Area Number |
22510257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
山本 薫 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (10431967)
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Keywords | 西アジア・中央アジア / パレスチナ / イスラエル / アラブ / 文化研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、現代パレスチナ文化の担い手たちの思想・実践・アイデンティティおよび彼らを取り巻く政治・経済・社会環境を、作品の分析に加えて、当事者たちへの聞き取り調査や活動の現場の実地調査を通じて明らかにすることにある。 1年目にあたる22年度には、文献・AV資料・インターネット・人的ネットワーク等を用いて現代パレスチナ文化の担い手達の情報を集め、その蓄積と発信用にホームページの開設準備も行うという実施計画を掲げていた。ホームページの開設やデータの整理などのために予算もあてていたが、この部分については無料のサービスを利用して、作業用のホームページを自ら開設することとした。その代わりに海外調査を充実させることを優先し、研究代表者の山本薫と協力者の田浪亜央江氏がそれぞれ海外調査を実施した。 山本は7月にバルセロナで行われた中東研究世界会議に参加し、自ら発表を行った他、世界の研究動向の視察や人脈作りを行った。田浪は2月にパレスチナとイスラエルの各地を回り、文化センターやNGOなどを訪問して聞き取り調査を行ったほか、現地でしか手に入らない貴重な資料の収集に努めた。こうした海外調査の他にも、来日したパレスチナ人アーティストの公演に出席したり、インタビューを実施したりする機会にも恵まれた。こうして22年度に収集した資料やデータについては、プロジェクト作業用ホームページに順次蓄積している。現時点では代表者および協力者にのみ限定公開し、情報を共有・蓄積する用途に宛てているが、将来的には成果やデータを公開する場としても利用していきたいと考えている。 研究成果の発表については、現代パレスチナのポピュラー文化に関する論考、中東和平の実現における文化の役割についての講演や、パレスチナ問題と必然的にリンクするアラブ世界で進行中の政変を主に文化の側面から考察した論考などを、いくつか外部に発表することが出来た。
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