2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22510266
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
住村 欣範 大阪大学, グローバルコラボレーションセンター, 准教授 (30332753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 晶子 大阪大学, グローバルコラボレーションセンター, 准教授 (90467522)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ローカルナレッジ / 食 / 近代化 / ベトナム / ブータン / シベリア / 人類学 / 開発学 |
Research Abstract |
食に関するローカル・ナレッジ(local knowledge) について、ベトナム、ブータン、シベリアで調査を行ない、その結果を、文化人類学、開発学、生態人類学の視点から比較検討したものである。 ベトナムでは、食生産環境の近代化の中で、農村の住民が、「科学的」な知識を受容するとともに、自家用の野菜の生産に対しては農薬の使用をやめたり、「安全野菜」を生産するようになるなど、新しい知に対応した新しい実践を行っていることが分かった。一方、食物を媒介とした薬剤耐性菌に関する調査によって、複合循環農法に関する知識が、残留抗生物質や耐性菌などの目に見えない新しい脅威に対応できないままになっており、啓蒙をともなう関与が必要であることが看取された。 ブータンにおいては、標高差を利用した多様な作物の栽培とトランスヒューマンスが行われている状況について観察した。「健康的な食事」については、「腹もちの良い食事」と理解されることが多いことも分かった。それは、農村部で特に顕著であり、肉体労働に従事している農家の人々の生活を反映したものと考えられる。 シベリアに関しては、文献調査とこれまでの研究成果の取りまとめを行った。その結果、エヴェンキ人の肉食と生態環境について、特にトナカイとヘラジカを通した環境認識が行われていることが明らかになった。 また、対象地域における近代性の嵌入状況を明らかにし、ローカル・ナレッジが、近代的な知との接触の中で再構築されていることについて、理解上で、基層、変容、介入に対応する生態人類学、文化人類学、開発学の連携が必要であることが明らかになり、実践に向けて必要となる認識を共有した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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