2013 Fiscal Year Annual Research Report
カナダ社会における「白人」支配の動態的・構造的考察―境界管理のポリティクス
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22510269
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
細川 道久 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (20209240)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | カナダ / 白人性 / 移民 / 中国人移民 / 日系移民 / 優生学 / アメリカ合衆国 / イギリス帝国 |
Research Abstract |
本研究は、19世紀末から20世紀前半にかけてのカナダ社会における「白人」支配の動態的・構造的解明を目的として掲げ、「白人」と「非白人」の間のグレイゾーンに位置する「中間的存在」がどのように管理されていたのかについて考察した。具体的な対象として、白人社会における「内なる脅威」(精神薄弱者)と「外なる脅威」(中国人移民、先住民)に焦点をあて、それぞれの処遇のあり方を考察した。 最終年度にあたる平成25年度は、平成24年度に刊行した『「白人」支配のカナダ史――移民・先住民・優生学』(彩流社、2012年)で残された課題について検討を加えた。 (1)「白人女性労働法」をめぐるカナダ・中国・日本・インド・イギリスの5者間の動きについて、平成25年度に引き続き、カナダおよび日本の外交文書の調査を実施した。 (2)カナダ白人社会の「内なる脅威」及び「外なる脅威」に対する処遇は、アメリカ合衆国やオーストラリアなどとはどのように異なっていたのか。この点については、前掲拙著でも言及したが、さらに探究すべく、アメリカ合衆国、オーストラリア、ニュージーランドの事例について調査を実施した。比較の視点だけではなく、カナダの対応が太平洋沿岸地域の「人種主義ネットワーク」とどのように連動していたのか、組織や人の移動の観点からも考究した。これらの考察との関わりから、訳書として『カナダ移民史――多民族社会の形成』(明石書店、2014年)を刊行した。また、英米の外圧という政治経済的関係がカナダ社会の民族関係にいかなる影響をもたらしたのかについても考察し、『カナダの自立――英米関係と民族問題』(刀水書房、2014年)を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)