2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロネシア連邦でのデング熱媒介蚊の分布調査と予防対策のための地域社会調査
Project/Area Number |
22510271
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野田 伸一 鹿児島大学, 国際島嶼教育研究センター, 教授 (60112439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長嶋 俊介 鹿児島大学, 国際島嶼教育研究センター, 教授 (10164419)
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Keywords | 社会医学 / 気候変動 / 感染症 / デング熱 / 蚊 |
Research Abstract |
ミクロネシア連邦ポンペイ州のポンペイ島と離島のモキール環礁とピンゲラップ環礁で蚊の分布調査を行った。ポンペイ島はミクロネシア連邦で最も大きな島で、面積334km^2、最高地点791mである。ポンペイ島の東に位置するモキール環礁とピンゲラップ環礁はどちらも平らな3島からなり、その合計の面積は1km^2より少し大きい程度である。蚊の幼虫の採集場所は、ヤシ殻、バナナ切株、岩穴、空缶、ガラス容器、プラスチック容器、金属容器、古タイヤ,ドラム缶,コンクリート貯水タンクなどであった。今回と前回(2007年)の調査結果をまとめると以下のようになる。ボンペイ島ではAedes albopictus、Ae.hakanssoni、Ae.oakleyi、Culex quinquefasciatus、Cx.mapleiおよびCx annulirostrisの6種、モキール環礁ではAe.albopictus、Ae.marshallensisおよびCx.quinquefasciatusの3種、ピンゲラップ環礁ではAe.aegypti、Ae.marshallensis、Ae.vaxansnoctanusおよびCx.quinquefasciatusの4種、合計で9種が採集された。ミクロネシア政府のデータによるとポンペイ州でもデング熱患者が散発しており、医療設備が不十分な離島地域では特に注意を要する状況にあると考えられた。 ピンゲラップ環礁で行政・生活・環境整備・医療などに関する調査を行った。蚊の発生に関係する廃棄物の処理は住民の自主的な活動が主であるが、地域リーダーによる処理促進があった。多方面で生活改善や伝統を守る努力が続けられており、コミュニティーの力が保持されていた。
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Research Products
(1 results)