2010 Fiscal Year Annual Research Report
南北アメリカ移民地短詩型文学の発掘保存と社会史的活用に関する基礎研究
Project/Area Number |
22510276
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Research Institution | Shirayuri College |
Principal Investigator |
粂井 輝子 白百合女子大学, 文学部, 教授 (60205177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 利夫 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (40119029)
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Keywords | 移民史 / 社会史 / 地域間比較研究 / 移民地文芸 / 短詩型文学 |
Research Abstract |
粂井は、戦前期の短詩型文学の概要を理解するために、『新世界』新聞、『日米』新聞(サンフランシスコ発行)の短歌、俳句、川柳欄を通覧し、入力作業を行った。また夏期休暇中には、サンフランシスコ市及びシアトル市に赴き、戦前から現在まで活動を続けている短歌会、川柳会の会合で参与観察と主宰者への面接聞き取り調査を行った。さらに、ワシントン州ヤキマ市博物館日系人特別展示の準備作業を見学し、文芸資料を閲覧・写真撮影/コピーした。偶発的ではあるが、帰国日飛行機が大幅に遅れたので、ワシントン州日本文化市民会館資料室に赴き、所蔵品整理作業を手伝っているときに、戦中ミネドカ収容所で発行された短歌会記録を発見した。そのため、2月に再度同資料館を訪れ、整理作業を継続、短詩型文学に関連する資料を閲覧・写真撮影/コピーした。また、日系人強制収容を回顧するワシントン大学アメリカエスニック研究学部の集会で、収容所で作られた短詩型文学について発表した。 柳出はペルー日系婦人会文芸部が中心となり、毎月一度の集会を三十五年にわたり一度の中断もなく続けてきた「椰子の実短歌会」の活動について、同会の参加者、関係者への聴き取り調査を実施するとともに、日系人協会、日系婦人会、日本人移民記念史料館、日秘文化会館付属図書館などにおいて同会の活動に関係する史料の調査・収集を実施した。また、同会の作品を集会毎に長年にわたって掲載してきた、邦字新聞『ペルー新報』関係者への聴き取り調査を合わせて実施した。椰子の実短歌会がほぼ五年おきに発刊してきた短歌集『ペルーに息ふく』『日系婦人会記念誌』などを収集した。
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Research Products
(3 results)