2010 Fiscal Year Annual Research Report
視覚資料の活用による、初期グローバル化時代中国の思想文化史のジェンダー化研究
Project/Area Number |
22510285
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
坂元 ひろ子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (30205778)
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Keywords | 中国思想文化史 / ジェンダー化 / 視覚資料 / 中国近代漫画 / 思想文化連鎖 / 初期グローバル化 / 東アジア / 広告 |
Research Abstract |
米国ライス大学チャオ研究センター長タニ・バーロウ教授が夏学期、一橋大学大学院社会学研究科において講義を担当した機会を利用し、7月に千田有紀・宋連玉・吉見俊哉教授を討論者に招いて「刊行記念国際シンポジウム『モダンガールと植民地的近代-東アジアにおける帝国・資本・ジェンダー』(伊藤るり、坂元ひろ子、タニ・バーロウ編)」を開催した。予想をこえる約250名の参加者があり、活発な合評、議論がなされた。 9月中までは『新編原典中国近代思想史』第4巻の解説のための図版収集やジェンダー関係を含む原典の翻訳および全巻の翻訳チェック、それ以降も第5・6巻の翻訳およびジェンダー関係原典の翻訳チェックにあたった。 10月には日本現代中国学会大会(於・中央大学)の「現代中国のジェンダー問題」セッションにおいてコメンテーターを務め、同じく10月には台湾中央研究院近代史研究所で『近代中国婦女史研究』の編集にあたる游鑑明教授を招いてジェンダー社会科学研究センター回公開レクチャーシリーズとして「広告とアートからみた近代中国の女子スポーツ」の講演会を開いた。 11月には北京師範大学歴史系に招かれ、漫画資料による中国近現代思想社会文化史研究として、「30年代の『時代漫画』『抗日漫画』と女性漫画家梁白波」について講演を行い、北京大学でジェンダー化の観点から文学や映画を研究する夏暁虹・戴錦華教授らと学術交流を行い、北京大学および国家図書館で史料収集を行った。同月はさらに神戸の孫文研究会秋季例会に招かれ、「辛亥革命におけるジェンダーと表象」の講演を行った。 12月には香港城市大学での「第一回「東亜学術思想」国際学術シンポジウム:章太炎与晩清中国学術」で発表および討論者として招聘され、講演「章炳麟の道家・仏教思想と身体、性と医学観」を行い、当時の東アジア思想文化連鎖に章炳麟思想を位置づけた。あわせて香港中文大学などの資料を調査した。
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Research Products
(9 results)