2010 Fiscal Year Annual Research Report
帝国/植民地近代とジェンダー――日本・韓国・台湾に廻流する文化表象を中心に
Project/Area Number |
22510298
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
池内 靖子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (80121606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梁 仁實 立命館大学, 経営学部, 講師 (20464589)
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Keywords | 帝国/植民地近代 / 舞台化・映画化 / 文化表象 / ジェンダー / セクシュアリティ |
Research Abstract |
本研究は、「帝国/植民地近代とジェンダー--日本・韓国・台湾に廻流する文化表象を中心に」というテーマで、帝国日本とその植民地であった韓国・台湾を横断する文化研究の一環として、当時の日本・韓国・台湾における演劇・映画・小説等の表現メディアに焦点を当て、物語や身体表現、映像表現について、ジェンダー研究と植民地研究を交差させた複合的な視角から考察するものである。三地域に共通して流通した大衆小説やメロドラマの舞台化及び映画化に着目し、文化表象の混淆と差異化にジェンダー及びセクシュアリティの構築がどのように関連しているかを明らかにし、帝国/植民地近代における文化創造と交渉を理論的にとらえ直す文化研究モデルを提示することを目的とする。 上記の本研究の目的にそって、22年度は、帝国日本において書かれた物語や上演された劇、制作された映画が、植民地期の韓国と台湾にどのように共有され、あるいはどのように差異化されて流通したかを明らかにすることにしていたが、共有できる作品を収集した。具体的には、韓国の『春香伝』や台湾の『サヨンの鐘』の再物語化や、舞台化と映画化について調査した。 研究分担者、研究協力者とともに、1月に京都で共同研究会を開き、理論的な枠組みとして先行研究の『モダンガールと植民地近代』を取り上げ、研究協力者の大西仁(台湾、東海大学)が報告した。また、研究分担者の梁仁實(同志社)が「帝国日本を浮遊する映画(人)たち」について、研究協力者の李文茹(台湾、淡江大学)が、「映画の中の言語使用およびそれがもたらした効果-台湾映画における「日本語」をめぐって」についてそれぞれ報告し、植民地期の言語、映像、語りの文化表象について議論を深めた。
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Research Products
(6 results)