2011 Fiscal Year Annual Research Report
現代的な知覚研究のための哲学的基礎づけとその体系化
Project/Area Number |
22520012
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柏端 達也 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (80263193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美濃 正 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70181964)
篠原 成彦 信州大学, 人文学部, 准教授 (60295459)
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Keywords | 哲学 / 知覚 / 心の哲学 / 認識論 / 形而上学 |
Research Abstract |
当初の研究実施計画に基づいて、平成23年度は、本プロジェクトにおける各部門(心の哲学、言語哲学、形而上学)がより連携を深める形で、前年度の基礎的研究を踏まえ、知覚の哲学の体系化という最終課題達成へ向けての研究を遂行した。 とりわけ、前年度で得られた知覚の形而上学に関する知見を踏まえて、主要な既存の知覚理論との関連性についての検討が進んだ。すなわちそれは、いわゆる知覚の表象説と選言説に対する評価研究として進展し、そして具体的な成果として9月に当科研費メンバーによるワークショップの形で公表することができた(「知覚の哲学の最近における展開をめぐって」提題者:美濃正、篠原成彦、小草泰、前田高弘)。 この理論的な研究は、本年度を通して各部門において継続的に推進された。また、視覚(おもに色彩に関する)とその他の感覚モダリティとの比較および関係の検討に関しても、ひきつづき着実な進展があったととくに言うことができる。 研究活動としては、まず8月に千葉大学で公開の研究会を開き、平成22年度の研究成果の総括を行なった(この研究会は震災により開催が遅れていたもの)。それに続き、9月に応用哲学会第3回年次研究臨時大会で上述のワークショップを主催した。さらに平成24年の1月に信州で、3月に大阪で、講演者として計4人の講師も招いて、研究会を開いた。 平成23年度の研究によって、次年度の具体的課題のいくつかが明確になり、さらに、最終目標である知覚に関する哲学的理論の体系化に向けて一定の見通しを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画のとおり、とりわけ主要な既存の知覚理論との関連性に関する研究が各部門において進み、かつ、体系化に向け期待した見通しも得られ、ここまでの段階の成果を24年4月中に公表できる予定であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の目標である理論的体系化のため、各部門の連絡と連携体制をさらに強化する必要があり、他方で研究協力者の若干の配置の変更にも対応するため、あらたな協力者を加え、かつ研究参与者の役割を微調整することにする。また、当初かならずしも中心的ではなかった「錯覚」を、研究をより焦点化するために、集中的なサブテーマの一つに加える。
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Research Products
(7 results)