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2010 Fiscal Year Annual Research Report

一遍の神仏関係思想における倫理学的原理に関する研究

Research Project

Project/Area Number 22520036
Research InstitutionKanagawa University

Principal Investigator

上原 雅文  神奈川大学, 外国語学部, 教授 (30330723)

Keywords神 / 仏 / 神仏習合 / 名号 / 踊り念仏
Research Abstract

1.一遍思想の研究と法語の確定
『一遍聖絵』『一遍上人語録』『播州法語集』『一遍念仏法語』など、一遍の法語を残すテクスト、および真教の思想がわかるテクストを比較読解し、後世の思想と一遍思想との相違を見定め、一遍の法語を確定する作業を進めた。その際、『一遍聖絵』に遺された言葉をさしあたり一遍の思想と見なし、その思想と真教の思想との相違に着目した。真教の思想を明らかにすることで一遍の法語確定を有効に進めることが出来たが、『一遍聖絵』における聖戒の視点をどう処理するかは今後の課題である。
2.「名号」における「声(音)」および「踊り」の役割の研究
一遍における「名号」は非日常的な(浄土へと通じる)「声(音)」という<感性>の役割を重んじる。それは「踊り念仏」とも通底する。これらのことから、一遍が重んじたのは、非日常的な声や身体動作という<感性>によって日常の分別知を離れて阿弥陀仏と一体化する一瞬の成仏感覚であり、その感覚によって仏の絶対知が垣間見られるという方法だったのではないかということを解明しつつある。しかしそれが究極のあり方だったかどうかといえばそうではないだろう。その点は今後の課題である。
3.『一遍聖絵』における絵画分析
『一遍聖絵』に絵画として描かれた寺社の景観のトレース化は完全な形ではできなかったが、主要な箇所における人物の配置、寺社の建造物、海山の景観、川などの要素の関係を考察し、データベース化するための基礎作業を行った。また、同時代に描かれた祖師伝絵巻との比較を行い、人物配置と自然景観の描かれ方の相違について考察を進め、『一遍聖絵』の自然景観描写の特徴を明らかにした。

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Published: 2013-06-26  

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