2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520045
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古勝 隆一 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (40303903)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 直樹 千葉大学, 文学部, 准教授 (20449284)
嘉瀬 達男 小樽商科大学, 言語センター, 准教授 (80449537)
|
Keywords | 中国文献学 / 目録学 / 余嘉錫 |
Research Abstract |
本研究においては、次の4点を達成することにより、中国古典文献学の基本的な視座を得ることを目的とする。 (1)余嘉錫文献学の最大の成果、『四庫提要弁証』二十四巻を精密に読解し、特に方法論にかかわる叙述を抽出・整理して体系化するとともに、その具体的応用の諸相を個別の文献に即して例示する。 (2)余嘉錫を同時代の代表的文献学者と比較し、また同時代の学術的背景と照合することにより、余嘉錫文献学を中国文献学史および中国近代学術の中に正確に位置づけ、さらに今日の文献学研究に対するその貢献を明らかにする。 (3)中国における現地調査(資料調査・聞き取り調査)を含め、綿密な情報蒐集を実施し、余嘉錫に関する伝記史料の集成、ならびに余嘉錫の著作目録、詳細な年譜の作成を行う。 (4)上記の成果を印刷物およびウェブサイト上で積極的に公開し、各方面から意見を徴する。 上記の研究計画に基づき、本年度は、以下の通り、研究を進展させる。 (1)前年度に引き続き、『四庫提要弁証』二十四巻の読解と分析を継続する。得られた知見は、順次、ウェブサイト「中国近代文献学-余嘉錫の総合的研究」(http://yujiaxi.wordpress.com/上にて公開する。 (2)中国文献学史および中国近代学術のなかに余嘉錫を位置づけるため、民国期に多数刊行された学術雑誌(『輔仁学誌』『国学季刊』など)を蒐集し、それらのうちから有益な論文を発掘し、リストを作製して読解を進める。また、特に近代文献学の到達点を清朝のそれとの比較において明らかにするため、清朝文献学の重要著作を蒐集し、読解する。 (3)余嘉錫に関する研究のため、中国北京市、北京大学において現地調査を行う。 (4)余嘉錫の著作『目録學發微』の訳注を完成させる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者、研究分担者、研究協力者が互いに遠隔地に居住しているため、デジタル環境を整備して研究協力を活性化することが必要であったが、これについては、ウェブ上のプラットフォームの整備が十分にできたことが、研究を円滑に進めている。昨年度は資料の電子化も終了した。今後は、これらの基盤をもとに、研究成果を蓄積してゆく。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方法については、すでに、計画段階で定めたとおりであり、特に変更点はない。 ウェブサイト(「中国近代文献学余嘉錫の総合的研究」http://yuliaxi.wordpress.com/)上のデータを、充実させることが、目下の目標である。
|